レコードの新譜&再発盤を毎月ピックアップ Vinyl Dictionary Vol.21

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小川充

注目の新譜&再発盤を毎月ピックアップしてお届けするコーナー。
珠玉のレビューVinyl Dictionary(ヴァイナル辞典)は、音楽好き、ヴァイナル好きの皆さんにとって必見の内容となっています。
こちらで紹介する盤は是非一度お聴きしてクレイツに追加するかご検討下さい。


Azymuth / Demos 1973-1975 Volume 1 (Far Out Recordings)

ブラジルの偉大なジャズ/フュージョン・トリオのアジムス。ファースト・アルバムの発表は1975年だが、本作はそれ以前の録音も含む73~75年にかけての未発表デモ作品集。鍵盤奏者の故ジョゼ・ロベルト・ベルトラミの自宅スタジオに残されたマスター・テープが発掘され、今回陽の目を浴びることになった。アナログ盤は2枚に分けてリリースされ、「Melô Da Cuica」「Manhã」など代表曲の最初期ヴァージョンも聴ける。ファーストに比べ演奏やアレンジは粗削りだが、逆にそのアグレッシヴな電化ジャズ・ファンクが新鮮。

Dwight Trible / Mothership (Gearbox)

ビルド・アン・アークやカマシ・ワシントンの作品でも知られるジャズ・シンガーのドゥワイト・トリブル。マシュー・ハルソールのゴンドワナからの『Inspirations』(2017年)に続く新作は、カマシやマーク・ド・クライヴ・ロウ、カルロス・ニーニョ、ミゲル・アトウッド・ファーガソンら参加の地元ロサンゼルス録音。かつてドゥワイトが在籍したホレス・タプスコットのパン・アフリカン・ピープルズ・アーケストラの系譜を受け継ぐピースフルなスピリチュアル・ジャズ、ゴスペル感覚や慈愛に満ちた美しい作品が並ぶ。

Bibio / Ribbons (Warp)

IDM、エレクトロニカ、ギター・ロック、インディ・フォークなどが入り混じる独特の世界を持つビビオことスティーヴン・ウィルキンソン。AORやR&Bの要素も見られた『A Mineral Love』(2016年)、アンビエントなテイストの『Phantom Brickworks』(2017年)に続く新作はフォーキーな側面がより色濃く、ブリティッシュ・トラッドやアイリッシュ・フォークから、バッハのようなクラシックの影響まで感じさせる幅広さ。ソウルフルでメロウな「Before」、哀愁のフォーキー・ディスコ「Old Graffiti」など珠玉の作品集。

小川充

小川充
ジャズとクラブ・ミュージック系のライター/DJとして、雑誌のコラムやCDのライナーノート執筆、USENの『I-35 CLUB JAZZ』の選曲、コンピレーションの監修を手掛ける。主著『JAZZ NEXT STANDARD』シリーズ(リットー・ミュージック)のほか、近著に『Club Jazz Definitive 1984-2015』『Jazz Meets Europe』(以上、Pヴァイン)がある。

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