レコードの新譜&再発盤を毎月ピックアップ Vinyl Dictionary Vol.20

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小川充

注目の新譜&再発盤を毎月ピックアップしてお届けするコーナー。
珠玉のレビューVinyl Dictionary(ヴァイナル辞典)は、音楽好き、ヴァイナル好きの皆さんにとって必見の内容となっています。
こちらで紹介する盤は是非一度お聴きしてクレイツに追加するかご検討下さい。


Marvin Gaye / You’re The Man (Motown)

『What’s Going On』の次のアルバムとして1972年に制作され、表題曲がシングル・カットされるも、マーヴィン・ゲイ本人が発表を見送った『You’re The Man』。その幻のアルバムが約半世紀の長い年月を経て、サラーム・レミのミックスやマスタリングなどを加えて記念すべき初リリース。『What’s Going On』の世界を引き継ぐ「The World Is Rated X」、ミゼル・ブラザーズのフォンスのプロデュースによる「Where Are We Going?」「Woman Of The World」の貴重な録音と、モータウンの歴史に新たなページを書き加える一枚。

Ezra Collective / You Can’t Steel My Joy (Enter The Jungle)

南ロンドンのジャズ・シーンを牽引するバンドのエズラ・コレクティヴによるファースト・アルバム。アフリカ系のフェミ&TJ・コレオソ兄弟によるリズム・セクションを軸に、鍵盤のジョー・アーモン・ジョーンズ、トランペットのディラン・ジョーンズ、サックスのジェイムズ・モリソンという強力な布陣が集う。ジャズ、ジャズ・ファンク、アフロ、ラテン、ヒップホップ、ブロークンビーツなどが混ざった演奏で、フェラ・クティの「Shakara」のカヴァーに見られるように、アフロビートの影響を前面に打ち出したところが特徴的。

Loyle Carner / Not Waving, But Drowning (AMF)

南ロンドンの新世代ラッパーのロイル・カーナーは、2017年の『Yesterday’s Gone』でデビューし、トム・ミッシュとのコラボでも知られ、ちょうどエズラ・コレクティヴの『You Can’t Steel My Joy』にも客演する。本セカンドにはその盟友のトムはじめ、ジョーダン・ラカイ、サンファらシンガー・ソングライターが参加し、ファーストに続きクウェズが共同プロデュース。淡々とした脱力系の歌声はラップというよりスポークンワードに近く、ピアノなど生音を中心とした温もりのあるトラックに乗せて心情をよりリアルに伝える。

小川充

小川充
ジャズとクラブ・ミュージック系のライター/DJとして、雑誌のコラムやCDのライナーノート執筆、USENの『I-35 CLUB JAZZ』の選曲、コンピレーションの監修を手掛ける。主著『JAZZ NEXT STANDARD』シリーズ(リットー・ミュージック)のほか、近著に『Club Jazz Definitive 1984-2015』『Jazz Meets Europe』(以上、Pヴァイン)がある。

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