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第1回 「クラウトロック大全」
著者:小柳カヲル
出版社: Pヴァイン
発売日: 2014年6月27日
ディスクガイドとは、レコードやCDをジャンルやカテゴリーで体系的に紹介し、音楽探究者たちの羅針盤として機能する書籍のこと。読めば聴きたくなる、欲しくなる。読めば聴いた気になる、もってる気になる。そんな気にさせるディスクガイドの魅力をお伝えするこのコーナー。
第1回目は、ドイツで生まれた1960年代後半から1970年代のロックを体系的に紹介した名著、『クラウトロック大全』を紹介することにします。
2017年9月5日、CANのベーシストであったHolger Czukay氏が自宅で亡くなった、という衝撃的なニュースが飛び込んできました。2017年の1月22日には、ドラマーだったJaki Liebezeit (ヤキ・リーベツァイト)氏もこの世を去っており、クラウトロックファンにとっては2017年はなんだかとっても悲しい年になってしまったようです。ご冥福をお祈りいたします。
このディスクガイドは、1960年代後半~1970年代にかけてのドイツ産の特異な音楽を体系的に700枚以上のボリューム、フルカラーで紹介しているのですが、「都市ごとに分類する」という手法を取っています。
ケルン、デュッセルドルフ、ハンブルグ、ベルリン、ミュンヘンと、都市ごとに活躍したバンド、アーティストが紹介されていますが、Holger Czukayの在籍したCANはケルンに分類され、本書冒頭に20ページに渡って約50の作品が紹介されています。(ソロ作品等も含む) これだけ見ても、やはりCANの偉大さ、Holger Czukayがいかにクラウトロックにとっての重要人物であったかがわかりますね。
Can/The Singles
こちらは2017年に、Mute/ Spoon Recordsから3枚組のレコードで発売されたシングルコレクション。
CAN以外にも、KRAFTWERK、NEU、FAUST、CONRAD SCHNITZLER、CLUSTER、ASH RA TEMPELなどなど、かっちり余すことなく大物の作品が網羅されており、まさにクラウトロック探究の羅針盤と言える内容になっています。
また、クラウトロック以降のムーブメントNeue Deutsche Welle(ノイエ・ドイッチェ・ヴェレ)についても非常に多くの紙面を割いており、パンクを通過した後のジャーマン・ニューウェイヴについてもみっちりと紹介されています。
それと、最後にぜひとも強調しておきたいのが、ところどころに挟まれる著者によるコラムの面白さです。数多くの有名アーティストとの交流に基づく豊富なエピソード、体験したものにしか解りえないトンデモ裏話など・・・ ぜひディスクの紹介とあわせてコラムもじっくりと読みこんでみてください。