next records / 渋谷にある100%オリジナル原盤の12インチ・シングル専門へ潜入

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REVINYL編集部

東京・渋谷の宇田川町にあるネクストレコードは、100%オリジナル原盤の12インチ・シングル専門をうたう中古レコード店である。1970年代のディスコ・クラシックやダンス・クラシックから、1990年代から2000年代半ばくらいまでのヒップホップ、R&B、ハウスなどを扱っている。一般的に12インチはLPや7インチなどに比べて音がいいが、廃盤になるとなかなか再発されることはなく、たとえ再発盤が出たりデジタル化されても、オリジナル盤ならではの高品質は再発盤やCD/デジタル音源ではうまく再現されないこともある。また、プロモ盤をはじめプレス枚数の少ない貴重盤もあり、DJやマニアの中には12インチばかりをコレクトするような人もいる。そうしたオリジナル12インチならではの特色を売りにするネクストレコードの今本恒治さんに話を聞いた。

――ネクストレコードがオープンしたのはいつですか?
2000年の1月ですので、今年で19年目になります。

――当時はすぐ近くにシスコ、マンハッタン、DMRなどの新譜を扱うクラブ・ミュージック系のレコード・ショップがあって、宇田川町全体に活気があった頃ですね。
ええ、ほんとヤバいくらいに人が多くて、盛り上がっていました。僕はもともと大阪でブーン・クーン・レコードという中古レコード・ショップの通販を担当していたのですが、関東からもお客さんが来るくらい調子が良くて、東京にも店を開くことになったんです。その東京店を任されていた西村というスタッフから、今度独立して新しい店をオープンしたいから手伝ってくれないかと頼まれて、それで東京に出てきたんです。そうしてスタートしたのがネクストレコードです。

――ブーン・クーン・レコード時代も含めて、かなり長い間レコード・ショップ業界で働かれているのですね。
ブーン・クーンで3年ほど働きましたが、その前はデザイナーの仕事をやっていて、そのときに雑誌に出す広告のデザインを頼まれて、そうした繋がりからブーン・クーンを副業的に手伝うようになりました。僕もレコードが好きだったから、一緒に海外へも買い付けにいくようになって。最初ブーン・クーンは店舗だけでしたが、調子が良くなってきて通販も始めて、僕はそちらを担当することになりました。そうして本業もデザイナーからこちらに移行して、レコード・ショップの運営のノウハウを学びましたね。

――ネクストレコードがあるビルは、かつてシスコが入っていたビルの隣ですが、ここはどのようにして探したのですか?
もともとはここではなく、すぐ上のオルガン・バーなどがある小道の並びに古い木造アパートがあって、そこの2階の一室でオープンしました。そこで2009年くらいまでやっていたのですが、東日本大震災の前の話ですけど、小さな地震が来るとレコードの重みでだんだん部屋の床が沈んできている気がして、調べてもらったら2階の床を支えている梁が折れかかっていることが分かって(笑)。それで大家さんからはもう出て行ってくれと言われて、新しい場所を探したのですが、当時はシスコさんが閉店してしまった後で、今のネクストレコードがある場所にあったDJ機材屋さんがそのシスコにあったビルに移ることになって、その空いたところに入ったという流れです。

――ネクストレコードのオープンにあたっては、自分の好きな音楽とか趣味的な部分を反映させたのですか?
もう、それしかないです(笑)。レコードの中でも僕は12インチが好きなのですが、当時はほかに中古の12インチを専門的に扱う店がほとんどなくて、そこでネクストレコードは12インチの店という形でアピールしていきました。うちの商品のメインは廃盤となった12インチのオリジナル盤ですが、当時の新譜を扱うお店にあるのは2000年以降のレコードばかりで、1990年代やそれ以前の12インチが入荷することは再発されない限りなかったので、そうしたものを探している人にとってありがたい店になったのかなと思います。そうした12インチはすぐに廃盤になって、市場から消えてしまうことも多かったですし。

――ヒップホップやハウス~ガラージ系のDJはだいたい12インチをプレイしていたので、そうしたDJカルチャー的な部分も意識したわけですか?
それはありますね。ブーン・クーンは12インチがメインではなく、どちらかと言えばソウル、ファンク、ジャズなどのLPの店でした。でも、そうした中で売れ筋となると12インチだったりして。そんな状況を見てきて、12インチ専門店もイケるかもしれないと思いましたね。オープン当初はDJブームの真っただ中で、プロのDJもお客さんで来てくれたりしましたし、そうしたDJを目指す予備軍的な人や趣味でやっている人、オタクDJ的な人からマニアのような人も多かったです。その頃は1990年代のヒップホップとか、R&Bの中でもクラブ寄りの古めの音が特に売れ筋でした。

――その頃の仕入れは海外買い付けしていたのですか?
ええアメリカとイギリスですが、仕入れは僕と西村が交代で年に7、8回、それぞれ2~3週間ほど現地に滞在して買い付けをやっていました。東京の中古店はアメリカに買い付けにいくことが多くて、あまりイギリスには行っていなかったのですが、そうした中でうちはUK盤やEU盤をイギリスで買い付けていろいろと売っていました。アメリカのアーティストでも12インチはEU盤でしか出ていないものとか、UK盤にはミックス違いのリミックスが入っているものがあったりして、そうしたものが重宝がられましたね。たとえばエリック・B&ラキムの「Paid In Full」のドル・ジャケのUK盤とか、そうしたものは速攻で売れていきました。

――プロモ盤とかも売れたりしたのではないですか?
ええ、2003、4年頃にプロモ盤のブームみたいなのがあって、正規盤が入る前のプロモ盤が新譜屋さんに入荷して、それを目当てにお客さんが集まるなんてことがありました。中にはプロモ盤オンリーで正規盤が出なかったものもある。でも、それは少量しか入荷しないので、早い者勝ちの競争となる。それを買えなかった人がうちに来るのですが、アメリカのラジオ局とかから流れてきた中古のプロモ盤も仕入れていたからです。当時はレコード・バブルのような時代で、そうした貴重なプロモ盤にはすぐプレミアがついていました。

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