レコード店とディスクガイド 1軒目 KING KONG(大阪・心斎橋)

WRITER
吉本秀純

40周年を迎えた大阪老舗レコード店のNEW

1979年に創業され、関西を代表する中古レコード店の草分け的存在として、アメリカ村にレコードを買いに行ったことがある者ならば知らない者はいないだろう「キングコング」。オールジャンルを取り扱う間口の広さと圧倒的な在庫の豊富さで、あらゆる音楽ファンから支持されてきた老舗中の老舗だが、昨年の秋にはビッグ・ステップのB1Fに移転してリニュ ーアル・オープン。創業40周年を目前に控えて、アナログ盤ブームや海外からの観光客増加の影響も受けながら新たな展開をみせる名店の今を、店長の難波義一さんに聞いた。

――キングコングは昨年秋にサンボウル(こちらも同じくアメリカ村内にある)の地下一階からビッグ・ステップに移転して、倉庫のように広かった前の場所と比べるとコンパクトに見やすくなりましたね。
そうですね。やっぱり前の場所は広過ぎて、ちょっと手に負えなくなったというか。今いる店員だけであの広さをフォローするのはかなりしんどかったし、場所も地下で路面ではない感じだったから、この2~3年ほどはどこか他にイイ場所はないかと探していたんですよ。

――こちらも地下ですけど、周りはカジュアルなファッションのお店などが入っていて、かなり雰囲気が変わりましたね。入口の壁一面のレコード・ディスプレイもインパクトがあるし。
最初にこの場所に来た時にココに壁がドーンとあったから、あ、ココはもうレコードしかないなと思って、内装の人にもココは上から下までレコードを飾りたいと伝えて。自分のなかでは、ロサンゼルスに「アトミック・レコード」(ちなみにお店はこんな具合http://www.atomicrecordsla.com/About_Us.html)というすごく好きなお店があるんですけど、そこも壁の上から下までレコードを飾っているから、似たようなことができるなと思ったんですよ。

移転後は邦楽やロックなどの人気ジャンルをメインに置き、インディーズなどのコアな商品も徐々に追加中。

壁面の棚には、6万枚以上の豊富な在庫を活かし、入門にもぴったりなレコードを配置。

――移転オープン時に、このレコ壁を写真に撮っている人が多かったですね。
そうそう。インスタ映えかなんかわからないけど(笑)、そういう感じでも捉えてもらえているみたいで、写真を撮っていく人は今でもすごく多い。

――レコード・マニアでない人にも、ジャケットの良さなどが伝わりやすいと思います。
やっぱりレコードは見せてナンボと思っているから。縦置きとか棚に入れている方が数は置けるけど、せっかくだったら飾って見せられるだけ見せたいし、レコードに興味のない人にもなにかはわからんけどイイなと思ってもらえたりすれば。

――最近は一部ではアナログ盤ブームが来ているとも言われていますけれど。
一部ではね(笑)。でも、今までに買わなかった人が買うようになったというんじゃなくて、レコードなんて存在すら知らなかったような若い子が、コレをまったく新しいモノとして買っている感じがする。僕らにとっては古いモノやけど、今の20歳前後の若い子らはコレを先端のモノみたいな感じで見ているというか。親もレコードを持っていなかった世代で、世の中に出てきて初めてレコードを見て、コレで音が鳴るんや!って思ったというのは若い子たちはよく言ってるね。

ここ1年くらいで訪日外国人の割合が多くなったという店長の難波さん。中には日本盤のみを目当てに来るお客さんも。

――なるほど、その世代にとってはある意味で未知の物体なんですね。ところで、最近キングコングでよく動いているのはどのようなジャンルですか?
今はやっぱり日本人モノ(邦楽)かな。中国~アジア系の人も欧米の白人もかなり買って帰 ってくれるから、今までにウチでそんなに動かなかったモノが売れる。山下達郎やYMO関連のテッパン以外でも、八神純子とか安全地帯とか杏里とかもよく売れてる。

――シティポップ系がやはり強いんですか?
シティポップ系のものと、アジア系の人たちが言うには、五輪真弓とか山口百恵みたいな“いい歌”のレコードを欲しがっている人も多くて。それ以外でも、サイケっぽいものを欲しがっているヨーロッパの人もいるので、今は日本人モノが全般的に売れやすいかな。

視聴コーナーはレジの横に2台。レコード以外にも音楽関連の本のほか、レコードプレイヤ ーの販売も。

――数年前までは、一部のレア盤などを除けば誰も見向きもしなかったようなモノが…。
そう、少し前までは在庫がたくさんあってもどうしようかなと思っていたけど(笑)、今は安全地帯とか(在庫から)ドンドンと掘っているし、松田聖子や中森明菜あたりも売れるから、長年培ってきた在庫が一気に捌けていってくれている感じかな。

――キングコングには、この40年間で培ってきた在庫がまだまだ膨大にあるんでしょうね。
ありますね。100坪ほどの倉庫にまだまだ出していない盤とか、過去に出していたけど一度なおしたモノとかもいっぱいありますし。ちょっと前に見に行った時には完全に興味のなかったハコが、今見に行ったら使えるなって思えたりするので、売る側も時代の変化に合わせて倉庫をディグっています。

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KING KONG

KING KONG
住所:大阪市中央区西心斎橋 1-6-14 心斎橋BIGSTEP B1
電話:06-6484-5551
営業時間:11:00~20:00
定休日:無休
HP:http://www.kingkong-music.com

取材・吉本秀純
撮影・米田真也

世界中のレコードを、その手の中に
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