HMV record shop 新宿ALTA インタビュー 〜 レコード&アナログ盤専門店としての想い

WRITER
小川充

レコード買い取りは出張買取なども行い積極的に

――中古盤は買い取りと買い付け盤があるとのことですが、商品の仕入れはどのようにしていますか?
現在、在庫の約7割ほどが買い取り商品ですが、定期的にセールをやっており、そのときには海外で買い付けした商品を中心に放出しています。たとえばオープンの周年セールとか、ゴールデン・ウィーク、年末などには大きなセールを行いますので、開催2ヶ月前くらいには買い付けのために海外を回っています。買い取りに関しては、一日に10件から30件くらいの持ち込みがあり、依頼があれば出張買い取りも行なっています。先日も千葉に行きましたが、遠いところでは、ありがたいことに、福岡などからも依頼があったりします。出張買い取りでは、過去に個人宅で7000枚という大きな規模の買い取りもありました。

――買い付けは専門のバイヤーが行うのですか?
はい。店舗スタッフの中には、主に買い取りの査定などを行うスタッフがいるので、買い付けに派遣しています。それぞれのスタッフに専門のジャンルがあるので、例えばソウル系に強いスタッフ、ロック系に強いスタッフなどを組み合わせて、買い付けを行なっています。

――中古盤の中にはいろいろとレア盤もありますが、値付けや商品管理も大切になってきますね。
90年代のアナログ・ブームでは、DJで使うから聴ければいいというお客さまが多くいらっしゃいましたが、今はより綺麗な商品を探されているお客さまが多くなってきていると感じています。ですので、美品の商品価値がどんどん上がっていますね。それは、レコードの盤自体もジャケットもどちらについてもですが、細かいところではシュリンクの有無で値段が何千円も違ってくることもあります。12インチでもファースト・プレスとセカンド・プレス以降では値段は大きく違いますし、日本盤では帯の有無で値段が一桁変わることもあります。お客さまもそうした帯については敏感で、特に海外から来られるお客さまは帯付の商品を求める方が多いです。帯は日本独自のものですし、なるべくそれが付いた商品を集められるようにしていますね。

和モノ、和ジャズの名盤を再発リリース

――HMVとしてのオリジナル商品も出したりしているのでしょうか?
レコード会社さんやレーベルさんからライセンスをお借りして、いわゆる名盤と呼ばれるもの、和モノだったり、和ジャズだったりと幅広く再発をやらせていただいています。海外アーティストでも、たとえばトッド・ラングレンの当時日本で出ていた7インチの再発などもやりましたね。さらに、新譜でもオリジナルのプレス企画をやっていますし、レコード以外の商品ではトート・バッグが数種類あるほか、スリップ・マットを作っていて、今後はレコード・クリーナーも出していきたいなと思っています。

――そうしたオリジナルの再発企画でヒットした商品はありますか?
大貫妙子さんの『サンシャワー』でしょうか。人気があり、今まで4回くらい再プレスしているのですが、あるテレビ番組で、海外の方がこのレコードを買うためにわざわざ日本へ来たと取り上げられて、それで一気に火が付きましたね。

――海外からの来店客も多いですか?
ええ、増えています。一番多いのはアジア圏のお客さまで、それからオーストラリアのお客さまも多いですね。アジア圏の中では中国、韓国、台湾などはもちろんですが、最近はフィリピンやタイの方も増えていますね。そうしたお客さまは日本のアーティストのレコード、もしくは日本盤プレスのものを求められます。言葉はわからないかと思いますが、たとえば山下達郎さんの作品などは普通にソウルとして聴いているみたいですね。

――最後にお勧めのレコードを紹介して下さい。

Kamasi Washington / Heaven And Earth (Young Turks) 2018年
新しいジャズを好きな方の間で今年一番の話題作で、4枚組というかなりのヴォリュームのアルバムです。カマシ・ワシントンは2016年のフジ・ロックに続いて、今年のサマー・ソニックにも出演予定でして、そうしたところからもジャズ以外の幅広いリスナー層が興味を持っていますね。

ブルー・ペパーズ / レトロアクティヴ (Vivid Sound) 2018年
大学を卒業したばかりの20代そこそこの若い2人組のファースト・アルバムですが、1980年代のAORをオマージュしたかのような、懐かしい感じの音楽をやっています。ジャケットのファッションとかデザインも1980年代風ですし、レコードの帯のコメントも自分たちで作るなど、かなりこだわってやっていますね。

サニーデイ・サービス / Fuck You音頭 (Rose Records) 2018年
曽我部恵一さんは個人的にも昔からよく知っているのですが、いろいろな音楽に興味を持っていて、そんな中で敢えて音頭に「Fuck You」を付けたのが凄いなと。実際に「Fuck You」を連呼していたりして、いろいろな意味で面白い7インチ・レコードです。

フィロソフィー・ダンス / アイドル・フィロソフィー (HMV) 2018年
このグループはアイドルですが、楽曲もいいというコンセプトを持っています。ナンバーガールや氣志團を手掛けられた加茂啓太郎さんがプロデュースをしていて、音楽評論家などからも高い評価を得ています。この7インチはHMVオリジナル・プレス商品で、こうしたアイドル歌手のレコードもやっているということで、少しでもたくさんのお客さんに来店してもらえればと思います。

HMV record shop 新宿ALTA

HMV record shop 新宿ALTA
住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿3-24-3 新宿ALTA 6F
電話:03-5362-3360
営業時間:11:00-21:00
定休日:年中無休
HP:http://recordshop.hmv.co.jp/category/shinjuku/

By 小川充
Photos by 浦野大輔

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