レコード店とディスクガイド6軒目 ハンキー・パンキー・レコード(大阪・心斎橋)

WRITER
吉本秀純

レコード店が集中するアメリカ村とは御堂筋を挟んで反対側の東心斎橋エリアに店舗を構え、60~70年代のロックやソウルを中心にオールジャンルの良盤が集まる品揃えの良さで、心斎橋の不動の老舗レコード店として親しまれ続けるハンキー・パンキー・レコード。平成元年のオープン以降、良い意味でまったく変わらない雰囲気をキープしつつ、あらゆる世代やジャンルの音楽フリークに良コンディションのレア盤からお手頃価格の掘り出し物までを幅広く供給し続けている。オープン当初から現在までの推移や、最近のお店の売れ筋などについて店長の東村和彦さんにお話を聞いた。

オープンから変わらず30年、アナログに続ける

――ハンキー・パンキーは、ホントにずっと場所も店内も昔と変わらずに続いていますよね。
僕はホンマにアナログ人間なので、デジタル系のことは全然できなくて今でも店のホームページがない状態で(笑)。だから、レコードマップに載っていても、みんなホームページのアドレスがあるのにウチだけ空白なんですよね。商品のカードとかも全部手書きでやっていますし、基本的にはオープン当初から変わっていないですね。

――オープンしたのはいつになるのですか?
こっちに移ってきたのは平成元年ですね。その前は難波でジャンピング・ジャック・レコードという店を先輩と共同で3年くらいやって、それからお互いに独立してという感じで。だから、もう30年くらいですね。


30年前か続く手書きのジャンルやアーティスト名、他にポップも手書き。

――品揃え的には、どのあたりがメインになりますか?
やっぱり、60年代や70年代のロックやソウル、ブルースがメインで、ジャズとかJ-POPはそれほど知識もなかったし、数もそれほどではなかったですね。最近は邦楽のレコードを見にくる方もよくいますし、80年代のニューウェイヴやギター・ポップ/ネオアコも人気ですね。

――少し前までは中古レコード店では動きにくかったものが、最近は見直されてますもんね。そういう(売れ筋の)推移をずっと見てこられたと思いますが。
そうですね。やっぱり2~30年前は60年代のソウルやP-ファンクがすごく人気があって、DJとかが流行り出した頃はフリーソウル系とかお洒落な感じのものにズレていって、今はもっと幅広くなっている感じがあります。

――そんな中で、ハンキー・パンキーに来ると、常にコンディションのいい良質な盤が手頃な価格でポロッと見つかるという印象があります。
昔は年に2回くらいアメリカに買い付けに行っていたので結構オリジナル盤も豊富だったんですけど、最近は行かなくなったのでオリジナル盤は少なくなって再発や日本盤が多くなってしまいました。値段的には、できるだけ買ってもらいやすい値段にというのはあって、相場よりちょっと安くしておくみたいなところはありますけど、最近は珍しい盤はしばらく(店内に)飾っておきたいのでちょっと高くしている時はあるかな(笑)


ハンキー・パンキー・レコードはビルの3階。入口のコラージュも昔からこのまま。入口すぐには、バンド仲間を探すためのチラシが壁に貼られているのも、昔から。

――いやー、それでも良心的な値付けだと思います(笑)。いい意味で昔から変わらない適正価格というか。
今はネットで検索すれば価格はいくらでもわかるんですけど、それは僕はイヤなので、昔からの知識で決めていますね。よっぽどわけのわからないモノは調べたりしますけど。でも、インターネット上は、昔はそうでもなかったレコードが高く売れているというのはありますね。特にハード・ロック系とか、例えばスコーピオンズとかAC/DCは、国内盤の帯付きは千円以下でいくらでもあったんですけどネット・オークションでは三千円とか五千円、今は有名な大物アーティストの方が値段が高くなっている感じですね。レッド・ツェッぺリンとかも国内盤の1stから3rdには普通にポスターが付いていて、それは昔はいくらでもあったんですけど今は高値にになっていたりとか、ブラック・サバスとモーターヘッドは異様に人気だったりとか…。あと、ピンク・フロイドは別格で、何でも高くなっていたりします。

――10年くらい前だと考えられないことになっているんですね…。
あとは、やっぱり亡くなった有名な人は値段がグッと上がりますね。デヴィッド・ボウイやプリンスがそうだったし、マイケル・ジャクソンでも、亡くなってから(カウンターの下を指して)ココのバーゲン・コーナーに100円とかであった『スリラー』まで普通の値段になりましたし。


高めの商品も他店ではもっとついている場合もあるけれど、ハンキー・パンキーはかなり良心的。バーゲン品も要チェック。

――お店ならではの売れ筋となると、どのあたりになりますか?
ウチの店ではやっぱり、相変わらずビートルズや(ローリング・)ストーンズといった60年代ロックは常に人気がありますし、ザ・フーやキンクスなどのブリティッシュ・ビート系、(ボブ・)ディランも根強いですし、プログレやサイケ系も人気です。あと、モノがあったら確実に売れるのがピストルズやダムドみたいな70年代のオリジナル・パンク、レゲエやスカも需要が高いです。他では、ブルースはソウルよりも人気があるなって感じがします。なかなかモノが入ってこないですけど、ブルースはよく売れます。

――ブルースは少し意外でした。
マディ(・ウォーターズ)などのシカゴの大物とか、ライトニン・ホプキンスあたりは根強いし、B・B・キングとかアルバート・キングあたりも常に人気があるなって気がします。以前は買っていくのは40代とか50代とかできたけど、最近は若い人とかも買っていきます。

――そのあたりは、時代が変わってもやっぱり辿ってくる人は絶えないというか。
そうですね。今のロックのルーツ的な流れで。

――お店としては、今後もこれまでの30年間と変わらないスタンスで?
相変わらずアナログ盤がメインで昔と変わらない感じで、最近の音楽はほとんど置いてないですけれど(笑)。だだ、最近はヨソのお店でもそうだと思いますけど、外国人のお客さんが増えたなというのはホントに思いますね。最近は海外のお客さんも日本の音楽のことをよく知っていて、浅川マキがあるかどうかをやたらと訊かれます。こないだ来た(海外の)人は、スマホを出してゴダイゴはあるか?と訊いてきたので、ゴダイゴはそこ(バーゲン棚)にあると教えましたけど(笑)

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ハンキー・パンキー・レコード

ハンキー・パンキー・レコード
住所:大阪市中央区心斎橋筋1−2−23東心斎橋ビル3F
営業時間: 11:00〜20:00
定休日: 無休

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