和モノ・バレアリックなレコード発掘ナビ【大阪:日本橋〜心斎橋 編】

WRITER
REVINYL編集部

近年の「レコードブーム」の熱は、プロのDJやコレクターだけで無く、「音楽を本業としていない一般消費者」にまで広がり、ごく身近なところにも「レコードの魅力に引き込まれた若者」が増えているように感じられる。

このようなブームの中で、レコードの魅力に取り憑かれた若者たちは、普段どのようにレコードを買っているのだろうか?
今回、レコード好きが高じてDJイベントを主宰するまでになってしまった音楽好きの若者たち、濱野さん(J.BOY)と宮村さん(MYM)の中古レコード店巡り(=いわゆる「レコードディグ」)に密着取材することにした。

J.BOYが「仕事帰りや週末によく訪れる」という日本橋〜心斎橋エリアのレコード店を中心に、名古屋から遊びにきたMYMを案内する、という流れだ。


写真左:J.BOY、右:MYM

近年日本国内だけでなく、世界的にも人気が高まっている「和モノ」に絞り、レコードディグを敢行することのこと。中でも『バレアリック(※)』な要素の強い音楽を、彼らの感覚で掘り当てたいそうだ。

※ バレアリックとは‥80年代にスペイン南部のイビザ島で生まれたダンスミュージックのいちスタイル。地中海的リゾート感のあるゆったりとしたチルアウトサウンドのイメージが強いが、ジャンルというより広義の「概念」的なものとしても解釈できる。
感覚的で曖昧な定義ではあるが、今回は各々の解釈で「バレアリック」を感じる和モノレコードをディグしようという目的だ。

早速、待ち合わせ場所の「なんばCITY」前へ。
颯爽と現れたのは、目の覚めるようなビビッドカラーのTシャツを纏ったJ.BOYと「ALOHA GOT SOUL」の“レーベルTシャツ”を着たMYMの二人。

★★大阪という街の特徴★★
全国的に見てもレコード店の数が多く、新・旧問わず様々なレコードに出会える。
また気さくな店主が多く、レコードショップでの会話の流れで良い音楽やレコードを知ることも少なくない。

★ 日本橋エリアの特徴★
「ジャンル・年代」など特に絞り込みをせず多種多様なレコードが売られている。いわゆる昔ながらの「街のレコード屋さん」が多いエリア。
商品数が多いだけに良いレコード(欲しい盤やレア盤etc)を、自ら掘り当てる楽しみがある。逆に言えば、物量が多いことから、掘る手間が必要になるが、それこそがこのエリアの醍醐味でもある。

①店舗目:ナカレコ2号店(なんば)

店内の第一印象として、まず“和モノ”の品ぞろえに圧倒される。
POPsだけでなくアイドルから歌謡曲、演歌まで幅広いラインナップが特徴。
店主が「ナカレコブログ 」にて、面白いレコードを紹介しているのも重要な情報源だ。

早速お目当てのレコードを発見し、J.BOYの表情から思わず笑みがこぼれる。
掘り当てたのはこの盤。


大沢誉志幸/彼女には判らない(7inch)

バレアリックダンス名曲「そして僕は途方に暮れる」のヒットで知られるシンガーソングライター大沢誉志幸のシングル。お目当ては、B面収録「宵闇にまかせて(Kiss&Kiss)」。エレクトロドラムの機械的なリズムに浮遊感のあるエレピの音色と艶っぽいボーカルが絡む、大人のメロウグルーヴ。宵闇にまかせて抱きあおう、心の揺れるままに、、(J.BOY)

一方MYMは、J.BOYオススメのこの一枚をゲット。


小泉今日子/水のルージュ(7inch)

87年にカネボウ化粧品のCM曲としてもスマッシュヒットした「水のルージュ」の7inchシングル盤。特筆すべきは、B面収録楽曲「KISS」。ネット上にもほとんど情報のないこの楽曲ですが、レトロなリズムボックス音に水々しいサウンドが乗っかり、キョンキョンの透明感ある歌声と相まって、まさにバレアリックを感じざるを得ない一曲。松本隆による歌詞もさることながら、当時20代のキョンキョンのジャケ写もたまらない一枚です。(MYM)

②店舗目:サウンドパック本店

1階に中古CD・DVD、2階に中古レコードコーナーを取り扱う老舗。
こちらも充実の和モノの取り揃え、卓上だけでなく足元・床におかれた箱も丁寧にラベリングされておりストレスなくディグすることができる。

さながら「釜爺」のごとく隅々まで余念のないディグをするJ.BOY。
ここでもJ.BOYが掘り当てたのは、「かねてから欲しかった盤」だというこの一枚。


崎谷健次郎/Realism(LP)

シンガーソングライター崎谷健次郎のセカンドアルバム。80’sブギーな楽曲が収録される中、オススメはレゲエテイストな「6月・絵と君と」。ゆっくりとしたリズムに美しいメロディーが乗る、いわゆるラヴァーズロックの名曲やと思います。CD移行期の88年に発売されたレコードゆえ希少盤!(J.BOY)

普段は和気あいあいと談笑することの多い2人だが、ひとたびレコード店に入ると、言葉を交わすことも忘れて黙々とディグに没頭することもしばしば、だという。

③店舗目:「DISC J.J.」 日本橋店

日本橋エリアも、3軒目のレコ屋へ突入。1階に中古CD、2階に特価LPや7インチ、3階に中古LPを取り扱う。まず驚かざるを得ないのが、日本橋エリアにおいても最大級と言っても過言ではない程のレコードの物量だ。その中でも、J.BOYが秘かに注目しているのが店先に置かれた「アナログの逆襲」と書かれた特価の箱。


この入り口付近の特価コーナー(通称「アナログの逆襲」)と2階では、お値打ちな和物レコードを掘り当てることも少なくないので要チェック、とのことだ。

この日は2階の7inch和モノコーナーにて、井上陽水の知る人ぞ知るレア盤を発掘。


井上陽水/『We are 魚』(7inch)

とにかくレコーディングが難航を極めたという1987年発売のアルバム『NEGATIVE』から2曲を収録したスーパーレアな7inchシングル。目当てはB面収録「We are 魚」。カラフルで幻想的な桃源郷的サウンドは「現行のバレアリックよりもバレアリックな音」といっても過言ではないほど、「地でバレアリックを行っている」一曲。アルバムタイトルに対比するかのようなポジティブな雰囲気の曲調にも惹かれてしまいます。(MYM)

さて、日本橋エリアも一通り掘り終えたところで、一行は心斎橋エリアへ移動。

後編:心斎橋エリア

J.BOY&MYM

J.BOY&MYM

 

J.BOY
大阪生まれ大阪育ち。様々なDJ・ディガーとの出会いをきっかけにレコードの魅力に取りつかれ、自身もDJを開始。MYMと共にDJパーティ「Galactic」を主宰。

MYM
名古屋在住。J.BOYとの出会いをきっかけにレコード収集とDJを本格的に開始。レコードやDJを紹介するネットラジオ「AITKEN RADIO」を運営。

世界中のレコードを、その手の中に
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