レコード店とディスクガイド9軒目 ディスクユニオン大阪店(大阪・堂山)

WRITER
吉本秀純

2015年の11月に関西エリア初の店舗としてオープンし、オールジャンルの層が厚い品揃えとともに関西の中古レコード市場に着実に新たな流れを築いてきたディスクユニオン大阪店。商品の回転率の圧倒的なまでの速さ、毎週末に様々なジャンルで開催される廃盤セール、クラシック館の新設、保護シートなどの充実したレコード・グッズ・コーナーなど…。オープンから間もなく3年を迎えようとする現在も、関西のあらゆる音楽ファンに新たな楽しみと驚きを次々と提供し続けている。かつては大阪のレコード店の聖地エリアのひとつとして栄えた梅田の堂山町に店舗を構え、関西の音盤フリークの周遊ルートを再び変えてしまった感すらある同店について、店長の川村健さんに話を聞いた。

――関西初出店ということでオープンされたディスクユニオン大阪店さんも今年の秋にはもう3周年を迎えますが、こちらに出店という話は以前からあったんですか?
そうですね。ずっとあったものの、なかなか物件が決まらずだったんですけど、2015年にようやくココに入ることが決まって、11月にオープンしました。

――どうも心斎橋にオープンするらしいとか、その前から様々な噂が流れていました(笑)。
だいぶそれはあったようですね(笑)。あとは、このアクト・スリーで定期的に行われているレコード・フェアに10年以上前に出店したことがあったので、その頃から梅田で出店できる場所はないかと探していたところはありました。

――川村さんはこちらに来られる前は渋谷のジャズ/レアグルーヴ館で店長をされていたそうですが、大阪に出店してみての印象などはいかがですが?
ありがたいことに、たいへんあたたかく迎えていただけたなというのはあります。私を含めて社員スタッフは全員東京から来たのですが、プライベートな話になりますけど、関西自体が非常に住みやすくて、食べ物もおいしいですし…。それはいいとして(オープン後に)とても印象的だったのが、当社の買い取りは、盤質やそれぞれの特記事項を担当者が入力して明細を1点ずつ付けてお出しするんですけど、皆さんその明細にとても興味深く目を通されて。そこの評価をいただいているところも大きいのかなと強く思います。


壁一面に面だしされたレコードを眺めているだけでも楽しい。取材日は平日の昼間にも関わらず、店内にはお客さん専用の買い物かごに多数のレコードを入れている人も多く見受けられた。

――そうですね。関西の中古レコード店の買い取りでは総額でという査定が一般的なので、1点1点でキッチリと査定額が出てくる明細には僕も驚きました。
それで査定に少しお時間をいただいている面もあるんですけども、最初は“こんなに1点ずつ出してくれるのか”というお声がホントに多かったですし、実際に“あ、コレはこんなに行くのか”とか“コレはこういう理由でこうなのね”というのを眺めて楽しんでいただけているのかなと。

――買い取りで入ってくるモノも、やはり大阪店ならではの特徴などがあるんでしょうか?
そうですねぇ…やはり日本のポップスのシングル盤などではご当地モノが多かったりとか。演歌じゃないですけども“北新地○○”とか(笑)、そういったタイトルのものをよく見ることはあります。あとは、2~3年前に取り扱いさせていただいた、ビートルズの非常に貴重な帯が付いた7ケタの盤があったんですけど、それは一説によると当時に関西だけで少量回ったモノという話もあって。そういったところにも関西独特の傾向が出てきたし、まだまだあるのかなと感じますね。

――売れるモノの方には、関東圏とは違う独特の傾向などはあるんでしょうか?
ジャンル別にじっくりと掘り下げていくと多少の傾向はあるんですけど、おおむね関東と関西での違いというのはあまりないですね。やっぱりレコードでは、ロックでしたらビートルズ、ジャズならブルーノートが最も強いですし、どちらもジャケットや内容の良さ、カタログ的な魅力といった要素がどうしても揃っているので、これから集め始めるという方もまだまだいらっしゃいますし、逆にリタイアされて手放す方も多いです。あと、東京と関西の違いという点では、女性のお客さまが多いのかなというのを感じますね。関東もこの2~3年で変わっているのかもしれないですけど。

――なるほど。そのあたりは最近のアナログ・レコード・ブームの影響と関係が?
関係はあると思います。


レジの奥でもお会計のみならず、スタッフの方々が忙しそうにデータの確認など、様々な業務を。そんなレジ横には試聴機もあり。気になる盤はこちらで一声。

――ちょうど、この大阪店をオープンされた3年前あたりからアナログ・レコードへの需要や関心がグッと高まってきた感がありますが、やはりその影響は実感されますか?
そうですね。すでに「レコード・ストア・デイ」などは始まっていましたけど、それがピークを迎えたのがちょうどココをオープンした頃で、実際に集客面というところでは想像以上でしたね。オープン時もその半年後の「レコード・ストア・デイ」も、店内は歩けなくなるほどで入場待ちも100名以上という状態でしたし。

――はい。関西でレコード店に開店待ちで並ぶという光景は、ほぼ見たことがなかったです(笑)。
あとは毎週土曜日に何かしらのジャンルで廃盤セールというのをやっているんですが、オープン当初はまだまだそれが認知されていなくて、東京ほど開店前に整理券でお並びいただくようなことは少なかったんですけど。今は定着して、毎週のように開店前に並んでいただくようになりましたね。


ビニールカバーの種類も豊富。また、自社で作成しているフリーペーパーや書籍、そのほか、スリップマットなども多数。女子向けのレコードグッズまで展開しているという幅広さ。

――ディスクユニオンは、商品の回転/循環の速さも驚異的ですね。一週間どころか2~3日だけ空けて再来店してみても、前には見かけなかった盤がドッと並んでいたり…。
一日に新規で1,000枚出すとかもザラなことなので。やはり(大阪店では)オールジャンルを扱っているからというのもあるんですけど、平日でも1,000枚出る日はいくらでもありますね。そこの回転率の良さやスケール感は、なかなか他にはないところかなと思います。毎日来ていただいているお客さまもいらっしゃいますし、毎日来ていただいても充分に楽しんでいただけるかなと。

――他に大阪店ということで出されている特色などはありますか?
レコード関連のグッズ、例えばヴィニールの保護シートなどをこのボリューム感で置いている店は他にないと思います。最初はレコードを買ったついでに買っていくという方が多かったんですけど、今は、それ目当てで来店される方もいらっしゃいます。商品(盤)的なところでは、大阪店はロックとジャズが中心で、CDとレコードではレコードが強い店ではありますね。そして、向かいにはクラシック館というクラシック専門フロアもありまして、最近はクラシックでもアンビエントやエレクトロニカの要素が強く含まれた録音もありますし、ジャズがお好きな方でもクラシックも聴かれる方は多いので、両方を行ったり来たりしていただけるのも強みかなと思います。

――最後に、今後の大阪店の展開として考えられていることなどは?
ロック、ジャズ、クラシック以外のところも今後関西で拡張していきたいですし、大阪店限定グッズなどの企画も増やしていきたいと思っています。逆に、大阪のご当地モノと何かコラボなどをできたりすれば、それを関東のディスクユニオンの店舗でも楽しんで見ていただけたりすると思うので。そのあたりは試しながらいろいろとやっていこうと思っています。

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ディスクユニオン大阪店

ディスクユニオン大阪店
住所:大阪市北区堂山町15-17 ACTⅢ 1F
電話:06-6949-9219
営業時間:11:00~21:00(日・祝20:00)
定休日:年中無休
URL:http://diskunion.net

WRITER 吉本秀純 
撮影 米田真也

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