THREE1989 インタビュー

WRITER
林剛



——では、皆さんの人生を変えたレコードを教えてもらいましょうか。今回はひとり2枚ずつということで。
Datch: 自分は、まずアリシア・キーズの『As I Am』(2007年)で、これは洋楽にハマるキッカケになったアルバムですね。中学までは野球をやっていて音楽と無縁な生活だったんですが、専門学校に入ってから年上の人にクラブとかに連れて行ってもらって、そこでこのアルバムに入っている「No One」を聴いてから思い入れのある曲になりました。独特のハスキーな声で、当時18歳の自分には凄く大人な曲に聴こえました。あと、このLPは赤色のカラー・ヴァイナルなんですが、あまりアナログ盤に縁のない僕ら世代には、こういうカラー・ヴァイナルは買った時に嬉しいなと思いますね。



——もう一枚は?
Datch: DJ カム・カルテットの『Rebirth Of Cool』(2008年)です。これは自分がレコードを好きになったキッカケというか、バーで初めて聴いていいなと思って“誰なんだろう?”と思って調べて、最初はiTunesとかで聴いていたんですけど、たまたまこれをレコード屋さんで見つけまして。DJカム名義の作品はヒップホップ要素が強いですけど、フランス人でジャズがベースにあって、カルテットになるとヒップホップを経由したジャズをやっているというか、タイトル曲がコモンの「Resurrection」(元ネタはアーマッド・ジャマル・トリオの「Dolphin Dance」)のリメイクだったりとかで、それを経由してジャズを聴くキッカケになった一枚ですね。普段はクラブっぽい音楽ばかり聴いていたんですが、美味しいコーヒーを昼間に飲んでいる時にかけたい曲を漁るようになったというか。

——続いてShimoさんお願いします。
Shimo: 僕は父がジャズのトランペッターで、姉がクラシックでフルートをやっていて、先ほども言いましたけど10歳上の兄がギターを弾いているような音楽一家で育ったんですが、親の影響でボブ・ディランの『The Freewheelin' Bob Dylan』(63年)を聴くようになったんです。兄のせいでエレキは嫌いだったのですが、アコースティック・ギターのシンプルで気持ちいい音色に惹かれまして。「Don't Think Twice, It's All Right」のイントロのギターがカッコよくて中学校の頃に弾き始めて、「Blowin' In The Wind」を弾き語りでやってみたいなと思ったんですよね。



——もう一枚は?
Shimo: ウェザー・リポートの『Heavy Weather』(77年)です。これはわりと最近聴いたのですが、ジャコ・パストリアスのベースが印象的で。ベースは低音をズッシリ弾くものだという常識を破った一枚なのかなと。後で話を聞くと当時は凄い人たちだったと。これは結構影響を受けました。

——では、Shoheyさんは?
Shohey: まず、和田アキ子さんのシングル「夏の夜のサンバ」。まだレコード(アナログ)を聴いたことがなかった時、大分のおじいちゃんの家に行ったらターンテーブルとレコードがあって、そこで最初に聴いたのがこのシングルだったんですよ。レコードのスクラッチ・ノイズとか、ひと手間かけて音楽を聴くみたいなものがいいなと思ったキッカケの一曲です。あと、なんかジャミロクワイぽく聴こえるところも(笑)



——初めて日本の歌謡曲が出ました。もう一枚は?
Shohey: Nujabes(feat. Shing02)の『F.I.L.O』(2003年)です。僕はずっとJ-Popを聴いていたんですが、地元にハウスのDJをやっていた友人がいて、大学生の時にクラブに連れていってもらって、そこでクラブ・ミュージック、踊れる音楽ってカッコいい!みたいになった時に、その友人がハウスの次に教えてくれたのがNujabesだったんですよ。ヒップホップも聴いていたんですが、コード感があるというか、相反するものだと思っていたヒップホップとジャズが合体しているNujabesの音楽を聴いて、浮遊感のあるコード、気持ちいいコードに目覚めたんです。海外だとグールーのジャズマタズなんかがそうですけど、日本ではNujabes。ループ・ミュージックでジャズ寄りの曲を作りたいと思ったキッカケというか、Nujabesを聴いたことによって世界が開けたかな。あと、アース・ウィンド&ファイアも好きで、アースを聴いて80sに目覚めました。だからNujabesとアースが、今自分たちがやってる音楽のルーツなのかなっていうのはありますね。

——Shoheyさんは、あともう一枚シングルを持ってきてくれたみたいですが。
Shohey: ボストン在住のSaucy Ladyさんがmonolog(金坂征広)さんのプロデュースでカヴァーした美空ひばりさんの「真っ赤な太陽」と山下達郎さんの「あまく危険な香り」のカップリング・シングル。日本の歌謡曲やポップスをシンセ・サウンドでオシャレなものにしているのがいいなと思って。これは僕が目指す究極のところですね。



——3人はそれぞれSpotifyでプレイリストも公開されていて、Datchさんは「After the Rain」、Shimoさんは「Midnight Walking」Shoheyさんは「Pajama Disco」というテーマで心地よい曲をセレクトされています。
Shohey: いっぱい聴いた中でいいなと思う曲をリストに入れただけで、そんなに詳しくはないですが……。こういうストリーミング・サービスでブラコンとかを一気に聴けたのは僕らにとって大きいと思いますね。

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THREE1989

THREE1989
全員が1989年生まれの3人組バンドTHREE1989(読みは「スリー」)。Shohey(Vo)の圧倒的な歌唱力と美声、Datch(DJ)が生み出す、時にアッパーで時にディープなグルーヴ、Shimo(Key)の様々な楽器を使いこなす高いアビリティを駆使しパフォーマンスを行う。1970~80年代のR&B、ジャズ、ロックなどに感銘を受けたメンバーが創り出す、現代的なサウンドの中に当時の懐かしさを感じる、ニューノスタルジックな楽曲が特徴。ボーカル担当のShoheyが、Netflix / フジテレビ系人気リアリティ番組「テラスハウス オープニング ニュードアーズ」に出演中。
https://www.three1989.tokyo/

By 林剛
Photos by 浦野大輔

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