台風クラブ 石塚淳 インタビュー

WRITER
中村悠介(IN/SECTS)

今夏はFUJI ROCKにも出演し、曽我部恵一やカーネーション直枝政広といった先輩からもラブコールを受ける、自称“日本語ロックの西日”こと京都の三人組、台風クラブ。ご登場いただくのはサンダル(いわゆるギョサン)履きでSGのギター、が絵になってしまうフロントマン、石塚淳さんです。今回は石塚さんにレコードの魅力についておうかがいしましょう。

ーーまず最初に、初めて買ったレコードを教えてください。
キャロル(の『ゴールデン・ヒット』)です。中2のお正月に(大阪の)日本橋に母親とコロムビアのポータブルプレイヤーを買いに行って。その流れでナカレコ(レコードショップ ナカ)で。

ーーなぜキャロル?
その前の週にラジオでギターウルフのセイジさんがイントロがかっこいい曲として「ファンキー・モンキー・ベイビー」を紹介してたんですね。それで欲しい、って思って。

ーー'86年生まれの石塚さんは世代的にはCDですよね。それまでレコードそのものについては知っていました?
なんとなくですね。ニートビーツやミッシェル(・ガン・エレファント)、ハイロウズがレコードでも作品を出していたこともあって。

ーーキャロルもレコードで欲しい、と。
そうですね。当時タワーレコードにキャロルのCDは置いてなさそうやな、というのは何となく勘づいてて。キャロルは昔のバンド、っていうのは分かってたので。だから、音楽を聴き始めた最初の頃から中古レコードが選択肢にありましたね。

ーーそれまではCDで?
CDで持ってたのはOASISの1stと2ndくらいで。それも地域振興券で買いました(笑)。それから、いきなりレコードという大海原に出会ったというか。

ーー大海原?
聴いたことのない音楽は自分にとっては新譜と同じなので。なので中古レコードを知って世界が広がりましたね。『レコードマップ』でお店を見つけたり。中学生なのでお金がないこともあって。

ーーレコードとCDの違いについてどう考えます?
CDはプラスチックがいっぱい使われてるって感じで、自分の好きな音楽には断然レコードの方がハマるし、聴くときに気分もアガるっていうか。

ーー音質の違いについてはいかがでしょう?
大学入るまで、その中2のときに買ってもらったコロムビアのポータブルプレーヤーを使ってて。録音がステレオだろうが関係なくモノラル出力されるし、針の重さも調節できないですよね。だからレコードの音はぬくもりがあるとか、よく言われるような音質の違いに関しては全く無頓着です。重たい針で盤面をガンガン削っていくような音質で十分にぶっ飛ばされてたので。

ーーなるほど。
それが今の人格形成にもつながってる、と思います。

ーーバンドの音楽性のみならず?
考えたら、ガレージとか古いロックを買うようになってから中古レコードとともに歩んできたような人生(笑)

ーーでは大学入学後にステレオで最初にレコードを聴いた感想は?
ヤバかったですね。やっとちゃんと聴けるような環境になったな、と。それから真空管アンプでデカい音で鳴らすレコードの音のスゴさも味わったし憧れますけど、今は住宅環境的にも経済的にも現実的ではないですね。

ーーレコードならでは、の良さはどんなところにあると思います?
出会い方じゃないかなと思いますね。中古レコードとCDでは欲しがり方が違うというか。例えば新譜だけを扱うCDショップやレコードショップでは、店頭で新譜を推さなければいけない事情があったり、こちらもあらかじめ○○の新譜をGETしに行く!という精神状態で行くと思うんですけど、中古レコード屋はそれがないっていうところも大きいと思いますね。頭に堆積したウォントリストから偶発的に出会うというか。ミッシングリンクが起こりやすいと思います。

ーーリスニング体験としてのレコードはいかがでしょう?
レコードはCDと違って時間と空間を使って聴く、という感じですね。普段、家で本でも読みつつ、なんですけど、レコードがヤバいとそっちに気を取られたり。

ーーレコードは通販でも購入されます?
ほとんどないですね。1,000円代のレコードを買うことが多いんですけど、送料を考えると…。

ーーレコード店にはどのくらいの頻度で行かれます?
最近はライブで忙しくて行けてないんですけど。ライブでいろんなところに行くのでそこのレコード屋に行けたらいいんですけど…時間もカツカツだったりして。

ーー常にウォントリストはあります?
紙に書いたりはしないですけどね。頭の中に積もり積もっているという感じで。
これまでに読んだレビューだとか、ブログの記事や誰かのつぶやき、友達の言葉とか。

ーーでは好きなレコード店は?
高松のマッシュルームレコードとか金沢のジャングルとか。マッシュルームレコードは50'sのロックンロールとかソウルが豊富で、店主もいいひとで、店構えもかっこいいですね。大阪で10代の頃は、タイムボムとキングコングとハンキーパンキーはよく行きましたね。あとオールドハットとか。日本橋にもよく行きましたね。

ーー現在拠点とされている京都では?
京都で行くのはホットライン、100000t、ワークショップ、JETSET、ブーツィーズとかですね。

ーーこれまでレコード店でバイトされたりも?
いや、JETSETに応募したことありますけど、落ちました(笑)

ーーレコード店はどこから見ますか?
時間があるときはAから全部見ますね。もしジャンルに分かれてたら「ロック」から、かな。

ーー台風クラブはレコードもCDもリリースされていますよね。
LPを出すとき、絶対に後出しは嫌だから、CDと同じ発売日に間に合わせて欲しい、と口を酸っぱくしてお願いしていました。アナログ作品のCD化っていう認識でお願いします、と。

ーーメインはあくまでアナログと。今後、台風クラブとしてはどんなリリース形態を目指します?
曲ができたら7インチ出して、それが溜ったらアルバム出して、という風にやっていきたいですね。7インチボックスはいつか出したいとは思ってます。昔、ミッシェルの7インチボックスを持ってたんですけど、お金に困って売ってしまったので。あれは素敵だったな、と。

ーー売ります?
売りますね。昔から金が無くなったら売ります。どれを売るか? レコード裁判して(笑)

後編:石塚淳さんがセレクトされたレコードをご紹介

石塚淳

石塚淳
自称“日本語ロックの西日”こと台風クラブの歌とギター担当。
大阪・河内長野出身、京都市在住。
2017年夏に1stフルアルバム『初期の台風クラブ』をリリース。
https://taifuclub.com/

取材:中村悠介(IN/SECTS)
写真:関愉宇太

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