サニーデイ・サービス 曽我部恵一 インタビュー

WRITER
中村悠介(IN/SECTS)

これがあのサニーデイ・サービス…? というような話題作『the CITY』、そしていわば野心作『the SEA』を立て続けに発表した曽我部恵一さん。それらはアナログでも発売されたばかり。というわけで今回は曽我部さんが考える“レコード”とは? 自身がオーナーを務める下北沢のレコードショップ&カフェ「CITY COUNTRY CITY」にて、まずはその遍歴からおうかがいしましょう。

ーー最初に、曽我部さんが初めて買ったレコードはどんなものです?
最初は歌謡曲のドーナツ盤。西城秀樹か、キョンキョンか。買ってもらってよく聴いてましたね。

ーー子どもの頃ですね。
小学生の頃ですね。近くのデパートとかに行くと親に買ってもらうという感じで。

ーーご出身は香川県ですよね。ものごころが付いてからのレコード体験は?
自分で買い始めるようになったのは中学生の頃かな。でも買うというよりは借りる方が多かったですね。貸しレコード屋さんで。

ーーどんなレコードを借りていましたか?
当時ヒットしていた曲を借りたり。けっこうなんでも借りてましたね。今、考えると初期のTSUTAYAかな。中高の頃はそこに通ってましたね。中学生なのでレコード買うのは月に1枚くらいで。借りたものは家でとりあえず(テープに)録って。

ーー借りて良かったものはあらためてレコードで買ったり?
いや、しない。でも考えてみたら、どんなものを借りてたのか? あんまり記憶がないなぁ。とりあえず、いろんなものを借りてたことだけは覚えてる。あとはラジオをエアチェックしたりね。

ーー現在、家ではどんなメディアで音楽を聴かれます?
家で聴くのはレコード。CDはほとんど聴かない。ひとからもらったCDは聴きますけどね。レコードかストリーミングですね。ほぼその二択。今はCDを買わなくなっちゃったかな。

ーー配信とレコードのみで、CDはリリースしないというミュージシャンはいまや珍しくないですよね。
去年? 一昨年かな? すごい好きなラッパーでNONAMEっていう女の子がいて。ストリーミングで聴いてたんだけど、LPが出るなら買わなきゃ、みたいなことも今はあるよね。CDは出てないっていう。

ーーではストリーミングとレコードの違いをどう考えます?
うーん。そんなに気にしてないかも。実際のモノで溝に音が入っている、そこにレコードのリアリティはあるけど。

ーーリアリティのあるメディア、と。
音楽の容れ物としてすごく好きですね。気に入ったもの、そのNONAMEみたいなすでに知っているものをレコードでも買うのはモノとして持っておきたいから、っていうのはありますね。

ーーモノとして、だとCDではなくレコード、と。どんな聴き方をされます?
LPでは1曲だけしか聴かないこともあって。それはレコードは情報収集というか勉強というか、おもしろいアレンジはないかな?って。そんな刺激を求めて聴いていることもありますね。ストリーミングはかけっぱなしだけど。

ーーなるほど。ところで曽我部さんは持っているレコードを売ります?
うん。この間もけっこう売って。100円とかの7インチは一度に何十枚も買うし、その中でいいものがあれば残していく感じですね。売るものは溜めておいて。

ーー現在、レコードの数はどのくらいでしょう?
数えたことはないけど。数千枚はあるかな。

ーーレコード店にはどのくらいの頻度で行かれます?
毎日。

ーー毎日?
うん、毎日行きますね。もちろん忙しくて行けないときもあるけど、ツアー先でも時間があれば行くし。

ーー日課のような? 何かを探すわけではなく?
そう。常に探しているものは何枚かあるけど。なにかアイデアとかを得ることもあるし。

ーーネットの通販で買ったりされます?
ほぼネットでは買いませんね。どうしても必要なレコードはネットで買うこともあるけど。

ーーなぜですか?
やっぱりお店で買うのが好きなんでしょうね。

ーーよく行かれるのはどこのレコード店です?
(ディスク)ユニオンかな。

ーーどのコーナーからチェックされますか?
まず見るのは「新着」コーナーだけど、まぁいろんなものを買いますね。昔、売ったけどもう一回聴きたいなと買うこともあるし、安かったら友達にあげる用として買ったりもしますね。

ーー最初に自身の音楽をアナログで制作されたのはサニーデイ・サービスの「コズミック・ヒッピー」あたりでしょうか?
その前に手作りしたのが最初かな。カッティングマシーンを借りてきて。それはもう自分のレコードが出したい!っていう思いだけのダブプレートで。自己満足を満たすために。

ーー達成感?
そうですそうです。自己満足で。

ーー『the CITY』はアナログ2枚組でリリースされていますよね。
いまだに自分のレコードができたらすごい嬉しい。作品がモノになるのは嬉しいですね。それはCDでも嬉しかったりはするんだけど。

ーー『the CITY』はストリーミング配信で先行販売されましたよね。
聴く人が多いメディアにした方が良いから、今はストリーミングかな。CDはあえてない、というのもいいんじゃないかと思って。でも、これからどうなるんでしょうね。

ーーでは、あらためてレコードの良さを考えるとどんなところでしょう?
レコードには愛着があるし、それは今でも変わらない。CDは音楽を聴くツールという感じかな。モノとしての愛着はやっぱりレコード。でも、そもそもレコードを聴くのが普通だったからね。

ーーレコードはモノとしての愛着を持てる、と。
例えば5万円のCDとか絶対買わない。でも15万円のレコードだったとしても欲しいって気持ちは起きますよね。世代的にCDの方が好きっていう人ももちろんいるだろうし育った時期が関係してると思うけどね。

後編は、曽我部恵一さんにご自身でセレクトされたレコードをご紹介します。お楽しみに。

後編は、曽我部恵一さんが選んだレコードをご紹介。

曽我部恵一

曽我部恵一
サニーデイ・サービスのボーカリスト/ギタリスト。ソロとしても活動。
「ROSE RECORDS」主宰。1971年生まれ。
最新作はサニーデイ・サービスの『the CITY』。そしてそのアルバムを“解体・再構築”するプロジェクト『the SEA』ではMURO、田中フミヤ、MASONNA、原摩利彦など全18組のアーティストのリミックスをSpotufyで公開中。
http://rose-records.jp/

取材協力:CITY COUNTRY CITY
取材:中村悠介(IN/SECTS)
撮影:森本菜穂子

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