NEIGHBORS COMPLAIN インタビュー ~PERSONAL BUYER

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PERSONAL BUYER

R&B/ソウルを中心とするブラックミュージックを軸に据えたサウンドで、関西から極上のグルーヴを巻き起こすNEIGHBORS COMPLAIN。2017年に軽やかなダンスナンバー“Night Drivin’”がテレビCMに起用されて以降、二度の全国ツアーを開催し、そのグルーヴを着実に拡大させている。来年には3rdアルバムのリリースと三度目の全国ツアーを控える彼らが、パーソナルバイヤーに登場。4人とレコードの関係や、思い入れのある作品についてじっくり語ってもらった。

——パーソナルバイヤーというプロジェクトについて、オファーを受けた際にどのような印象をお持ちでしたか?
GOTTI : ミュージシャンとして音楽を広めたいという思いが強いので、拡散のきっかけになるプロジェクトに参加できて嬉しいです。

TAKA : 僕らは昔、音楽に出会うために手当たり次第に聴いてみましたが、好きなアーティストが選んだ音楽を聴けるというのはリスナー側に立っても嬉しいことですよね。

KASH : しかもそれがレコードで手元に届くというのがさらに面白いと思います。

——皆さんは幼い頃からレコードに親しみがありましたか?ご家庭にあったレコードについてもお聞きしたいです。
KASH : 家ではよくレコードを聴いていました。父の車ではCDでしたけど、ブックレットがたくさん車に積んでありました。僕が選んだのは、その頃聴いていた思い出の曲でもあり、今の僕らの音楽性にも影響を与えた作品です。

GOTTI : 逆に、僕の家はレコードというか、音楽自体がまったくない家庭でした。なんなら「CDで聴けるのに、なぜプレーヤーを持ってまでレコードで聴きたいんだろう?」と思っていました。楽器を弾き始めてからもしばらくはその感覚だったんです。でもある時期からクラブに遊びに行くようになって、そこで知り合ったDJさんにレコードの素晴らしさを教えていただいて、「CDとこんなに違うんだ」と思うようになりました。今回選ぶにあたっても、「レコードで聴きたい楽曲」を意識しました。

TAKA : 僕の家にはジャズのレコードがあったんですけど、幼い頃にはまだジャズの魅力がわからなかったので、そんなに聴いた記憶はないです。ただ、落語を収録したレコードもあったので、それは聴いたりしていましたね。桂枝雀さんという落語家さんが良いんですよ。今回パーソナルバイヤーでは、落語は選んでないんですけど(笑)。

OTO : 僕は両親が2人ともクラシックに親しんでいたので、クラシックのレコードは家にたくさんありました。もともとR&Bやジャズは聴いたことがなかったのですが、18歳の頃にジャズの世界に飛び込んだからこそ今がある、という感じなんです。今となっては実家にあったクラシックのレコードを、両親に「これ誰?」と聞きながら改めて聴いてみたいです。

——では、今だからわかるレコードの魅力とは何だと思いますか?
KASH : 僕の両親のこだわりで、レコードを聴くときに盤の上にスタビライザーという重りを載せていたんですよ。それがあると低音の余分な倍音が消えて、音が均等になるんです。その体験によって音の違いを知ったので、今改めて昔の楽曲をレコードで聴いたり、レコードがかかっているお店に行ったりしても、デジタル化されていない分広がりや奥行きが違いが豊かで、よりリアルなものが耳に届いてくるなという感覚があります。

GOTTI : レコードって保管や手入れがちょっと面倒だけど、そこがいいんですよね。僕も暑い時期に保管方法を誤って、レコードを曲げてしまった経験がありますし、昔のものの中には音が飛んでしまったり、テンポに揺れがあったりするものもあります。でもそれはデータで聴く音楽にはないものなので、そういった点も含めて愛おしく思えるのがレコードの魅力です。今、レコードプレーヤーも安くていいものが出てきてますからね。USBも接続できて、1万円もしないはずですよ。一度レコードプレーヤーを買ってみて、休みの日にゆっくりコーヒーを入れつつ、大好きなアーティストのレコードに針を落とす時間を作ってみてほしいです。

TAKA : うまいですね。営業さんですか?(笑)

OTO : オトナ〜!(笑) 僕、ちょうど2日くらい前に大阪のクラブに遊びに行ったんですよ。ゲストで出演されていたDJ URAさんはすべてアナログレコードで回すかただったんですね。URAさんの時間になった途端、誰が聞いてもわかるくらい臨場感がぐっと増してフロアもすごく沸いていました。レコードの良さは大きな場所で聴くとよりわかりやすいのかなと思いました。

——今日、皆さんにはご自宅のコレクションの中からお気に入りのレコードをお持ちいただきました。それぞれについてのエピソードをお聞かせください。
KASH : 僕が持ってきたレコードは両親のものなんですが、Stevie Wonderが1976年にリリースしたアルバム“Songs in the Key Of Life”です。ジャケットを開くと中にスティーヴィーの顔がずらーっと並んでるんですが、この時代ならではの味のあるデザインで大好きなんですよね。日本語のライナーノーツも付いてるんですが、レコーディングのことを「吹き込み」と書いてあったりして渋くって。家でよく聴いていたからボロボロなんですが、当時は自分が音楽をやることになるなんて思っていなかったんですよ。でも今となってはStevie Wonderの名曲をよくカヴァーさせていただきますし、つい先日もこのアルバムに入っている“Summer Soft”を演奏する機会もありました。昔から聴いている音楽は時代を超えて自分の側にいてくれるんだなと実感します。

■スティーヴィー・ワンダー『Songs in the Key Of Life』

GOTTI : 僕は尊敬してやまないLeroy Hutsonの、1975年の作品“Hutson”の直筆サイン入りレコードを持って来ました。シカゴの1970年代のR&B/ソウルが大好きで、当時のミュージシャン同士の系譜や関係性をいつか映画化してほしいくらいなんですが、好きになった発端がDonny Hathawayなんです。彼の生い立ちを調べていくうちにDonnyと同じハワード大学に在学中ルームシェアをしていたLeroyを知りました。2人はCurtis Mayfieldが設立したカートム・レコーズに所属していたので、このレーベル自体にハマっていって。この盤にもカートム・レコーズのロゴがついているんですが、可愛くて気に入っています。最近“ニュー•ソウル・ブック”という1974年出版のガイドブックを古本屋で500円くらいで入手したんですが、ある衝撃の事実が書いてあって。ハワード大学は音楽学部が盛んな学校なので、当然2人も音楽の何かしらを専攻しているものだと思っていたら、Donnyは美術専攻だったんです!僕にとっては大発見!Donnyが33歳で亡くなる5年前に出た本なので「30歳にも満たないが、その才能には底知れぬものが感じられ、まだまだ伸びる可能性を秘めている。」と書かれているんですよ。Donny Hathawayも、44歳の頃に実父に銃で撃たれたMarvin Gayeも、この本の中ではまだ生きているので、とても大切に持っていたい1冊なんです。ちなみに現在はLeroyの息子Jr. HutsonとDonnyの娘Lalah Hathawayが共演していたりして、肉親同士の関係を受け継いでるというというのがまた良い話です。

■Leroy Hutson『Hutson』

TAKA : 僕が持ってきた1枚はとにかくジャケットを気に入ってるんですが、2015年にリリースされたKnxwledgeの“Hud Dreams”です。これには1曲1分くらいのインストゥルメンタルが26曲入っています。もともとAnderson .Paakが好きで、彼が組んでいるNxWorriesというユニットのトラックメーカーがこのKnxwledgeなんですが、この人が作るトラックはサンプリングが上手くて、昔の曲を引用しているので懐かしいんだけどビートは新しいので、いいバランスで作られていてかっこいいんです。いいなと思ったトラックをレコードで聴くと、他の方法では聴こえなかった繊細な音が聴こえてくるので、その曲をより好きになれますね。

■Knxwledge『Hud Dreams』

OTO : 僕は1990〜2000年代の作品が大好きで、その時代のR&B/ソウルの申し子であるMusiqの “Just Friends (Sunny)”のシングルカットです。2000年リリースなので、D’Angeloの“Voodoo”などと同時期ですね。ジャズもヒップホップもR&Bもファンクも、全部が混ざり合ってMusiqやD’Angeloといった「ネオソウル」と呼ばれるジャンルが生まれたわけなので、そういったアーティストの繋がりや流れを感じるこの年代のレコードには魅力を感じます。ここにしか収録されていない2曲目の “Just Friends (Beat Box Mix)”を聴いてみてほしいです。ニューヨークに行った当時僕はジャズ一筋だったんですけど、徐々に色んな音楽に親しむ中でMusiqに出会い、生でライブを聴いて大好きになりました。もう1枚はSnoop Doggy Doggの“Ain’t No Fun EP”で、90年代の楽曲を2004年にレコードにプレスしたみたいですね。表題曲のコード進行が気に入っているんです。パーソナルバイヤーの企画で選んだ作品も、こういったサウンドが好きなかたにはたまらない選曲なんじゃないかと思います。

■Musiq『Aijuswanaseing』に収録

——皆さんは普段、どんな方法でまだ見ぬアーティストや新たな音楽と出会いますか?
TAKA : もちろんサブスクリプションサービスでジャンルから辿って掘ったりもしますけど、たまたま飲みに入ったお店で流れている有線放送を聴いて、「何この曲?かっこいい」と思って検索することが多いかもしれません。

KASH : 僕は、深い時間に友達と好きな音楽を交換する時間をすごく尊く思います。周りに人も少なくなってきた頃に、お互いにお気に入りの曲を聴かせ合ったり。まったく悪いことはしていないのに悪いことをしている気持ちになって(笑)、すごく好きな時間ですね。

GOTTI : 僕も信頼しているDJの方達とよく情報交換をするんですが、まだ現地でもほとんど知られていないアーティストを掘っている友人がたくさんいます。個人的にもメインストリームから外れたものが好みで、マイナーなレーベルのウェブサイトを見て「こんなアーティストいるんだ!」という発見を楽しみます。

OTO : 今はニュージャックスウィングばかり聴いてしまうんですよ。Bobby Brownだったりあのあたりですね。僕はトークボックスをプレイするんですが、大阪で僕ら主催のイベントを開催したときに共演したトークボクサーのKZYBOOSTと意気投合したんです。それで、音楽の好みも同じなので好きな楽曲に合わせて2人でトークボックスセッションをしたりしたんですが、それがきっかけでニュージャックスウィングの魅力を再確認しました。ああいう楽曲を僕らでも書きたいなと思うくらいです。

——パーソナルバイヤーのためにおひとり3枚ずつレコードをセレクトされましたが、選ぶのに時間はかかりましたか?
TAKA : 悩んだものもあるし、すぐに決まったものもあります。

OTO : 僕らメンバーもお互いにまだどんなレコードを選んだのか知らないんで、オーダーしてくださって受け取った方にしか、選曲がわからないという状態です(笑)。

KASH : 俺はわりとすぐ決まったかな。全員R&Bが好きでも年代が違ったり、ルーツになった音楽がバラバラだったりするし、楽しみだね。



——それぞれが選んだ3枚について、セレクトのポイントを教えてください。
KASH : 僕の3枚は、それぞれの方向性は今僕らが発信している音楽とは少し違います。でも僕からすると3枚すべてがルーツとなっているんです。僕が幼い頃に聴いて衝撃を受けたものや、音楽性や世界観を強く持っているアーティスト、そして「え!?」と驚くような作品も含まれているかもしれません。

GOTTI : 僕はライブツアーに行くたびにその街のレコードショップに立ち寄ったり、最近DJを始めたりもしたんですが、セレクトのポイントは「僕が今ほしいレコード」です。お楽しみに!

TAKA : 僕が選んだ3枚は、「ブラックミュージック」というカテゴリにありつつ、その中で少しずつジャンルや年代が違ったりします。4人の中でも一番バラエティに富んだラインナップなんじゃないかなと思います。

OTO : 僕は、3枚とも学生時代に一番刺激を受けていた1990年代のブラックミュージックで、「ビートがずれている」のが…いや、これくらいにしておきましょう!(笑)

TAKA : あの人かな!?(笑)

——では最後に、手元の届いたレコードをどのように楽しんでもらいたいか、思いを聞かせてください。
KASH : 時間を音楽と共に贅沢に使える、そのためにレコードがあると思うので、この企画を通して1人でも多くのひとがその贅沢を味わってくれて、新しい発見をしてくれればもっと音楽にリスペクトを持てるのではないかと思います。

TAKA : 僕らのルーツに、データではなくアナログで触れてもらえる機会なので、楽しんでもらいたいですね。

申込者へのプレゼント用メッセージカードを記入してもらいました。

■リリース情報
2020年1月8日発売
『WAVE』
PECF-3247 ¥2,000+税
1.「Continue..?(feat.Jinmenusagi) 」
2.「Shine On
3.「Virtual Dance Floor」
4.「Overnight」
5.「A Daye Off」
6.「Good Vibes」
7.「Super-Duper HERO」

SPACE SHOWER MUSIC/Liquid Brain Inc.

■ライブ情報
【NEIGHBORS COMPLAIN TOUR 2020“WAVE”】
・1/16(木) 大阪 BIG CAT
・1/17(金) 名古屋 ell.FITS ALL
・1/19(日) 福岡 DRUM Be-1
・1/24(金) 仙台 MACANA
・1/31(金) 広島 SECOND CRUTCH
・2/01(土) 香川 TOONICE
・2/21(金) 渋谷WWWX
・3/07(土) 福井 CHOP
・3/22(日) 札幌 SPiCE

 

※本記事は2019年11月に、PERSONAL BUYERのサイトにて公開されたものです。

▼PERSONAL BUYERの詳細はこちらをご覧ください
【NEWS】新ゲストバイヤーに NEIGHBORS COMPLAINの参加が決定!!

NEIGHBORS COMPLAIN

NEIGHBORS COMPLAIN
Oto(オト)-Vo.Key. / Gotti(ゴッチ)-Gt.Cho / Kash(カッシュ)-Ba.Cho. /Taka(タカ)-Dr.Cho.
2014年大阪にて結成。エモーショナル&SEXYなOtoのヴォーカル、New Classic Soul、Black Contemporary、NJS、Rare Groove(Philadelphia Soul, Sal Soul等)をバックボーンとした、そのヴォーカル&サウンド・メイクは、ファレル・ウィリアムス、ブルーノ・マーズ、メイヤー・ホーソーン、TUXEDOなどを彷彿させるセルフ・コンテインド・バンド。2017年1st Album『NBCP』、2019年2nd Album『BRIDGE』をリリース。2020年1月8日に3rd Album「WAVE」をリリースする。

https://neighbors-complain.com/

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