みの(ミノタウロス)インタビュー ~PERSONAL BUYER

WRITER
濱安紹子

今年2月に、自身の名前を冠したYouTubeチャンネル「みのミュージック」を新設したみのさん。絶大な人気を誇っていたカリスマブラザーズからソロへと転向して以来、音楽を中心に、コアなカルチャー情報を独自の目線で切り取り発信しています。チャンネルをご覧になればお分りいただけると思いますが、みのさんの音楽愛と知識は半端じゃありません。インタビュー中にも「地元の図書館にあった全てのロックCDを借りた」とか「当日返却で50枚ものCDをレンタルしたことがある」とか、驚愕のエピソードが飛び出すほど。つい先日も、レコード好きが高じてレコードバーをオープンさせたというみのさん。音楽への偏愛っぷりを存分に語っていただきました。

——パーソナルバイヤーの印象を教えてください。
幅広い年齢層のミュージシャンが参加されていますよね。大御所から若いアーティストやミュージシャンもいて、様々な世代にリーチできるような媒体でアナログの魅力を紹介しているのが素敵だなって思いました。

——「みのミュージック」という名前の通り、ご自身のチャンネルでは相当コアな音楽を発信していますよね。ロック史を独自解説していたり、かなりマニアックなコンテンツもあって、本当に音楽にお詳しいんだなと感心していました。
マニアックな音楽色を出し過ぎて、女性視聴者がどんどんいなくなってきちゃいましたね(笑)開始当初4割くらい女性だったんですが、数ヶ月で1割ちょっとにまで減ってきちゃいました。

——そんな顕著に(笑)! でも逆に、音楽好きのファン層が増えているのでは?
そうですね。ついていけなくなってしまったファンの方と引き換えに、音楽好きのコアなファンが増えてきている気はします。

——みのさんのレコードとの出会いはどんなものでしたか?
レコードを集めだしたのは、実は結構ここ2年くらいなんですよ。レコードプレイヤーは持っていたんですけど、あまり触っていなかった状態で。ちゃんとレコードを聴こうって思ったきっかけは、「恋のチンチン電車」(2017年12月31日発売)のアナログ盤を出した時。シングルだったので7インチ盤でリリースしたんですが、よくよく考えたら僕、7インチのレコードアダプターを持っていなくて。こりゃ作り手としてちょっと恥ずかしいぞって思って、急遽アダプターを買うことにしたんですが、その時たまたまハマっていたPhillip Spectorの音源をオリジナルのモノラル盤(1950〜60年代中盤くらいまではモノラル盤が主流だった)で聴きたくなって、結局モノラル用の機材一式を揃えることに。Phillip Spectorの良さはモノラル盤じゃなきゃ分からないだろ、みたいな原理主義者っぽいイメージを持っていたんですよね(笑)。それ以降、本格的にレコードにハマりました。

——かなりマニアックなハマり方ですね(笑)。動画でも披露されていましたが、結構膨大なレコードをお持ちですよね?
レコードにハマって2年くらいなんですが、それはもうものすごい勢いでレコードを買い始めまして……。今持ってるのは500枚いかないくらいかな。その半分以上は7インチですね。レコードの状態が気に入らないからって買い直した盤もあって、2枚持ってる作品も結構あります。地方に行ったら絶対、その土地の中古レコード屋さんを調べて回ります。でも中古巡りは高校生の頃の習慣ですね。当時はCDでしたけど、お茶の水とか神保町の中古屋さんに週3回くらいは行ってました。当時はお店の在庫状況と値段が頭に入ってたくらい。あと、レンタル屋でCD50枚を当日返却で借りたこともありますよ(笑)。友達と協力しあって、ひたすらリッピングして回しあってました。

——すごい熱量! ちなみに、レコードの魅力とはどんなところだと思いますか?
サブスクのご時世、曲単位で音楽を聴くし買うじゃないですか。だけど、レコードってアルバムの流れでじっくり曲を聴けるので、アルバムのストーリーとしっかり向き合えるんですよね。そこが好きかな。古い時代のアルバムってレコードで聴く前提で作られてるじゃないですか。だからデジタルでぶつ切りで聴くというのは、本来の作り手の意図から離れてしまう気がするんですよね。あとは、迫力とか臨場感とか、レコードじゃないと味わえないものもあると思います。その中でも特に、やっぱりモノラルが最高で……って話すると無粋かもしれませんけど(笑)

——普段、どうやって音楽を聴いたり探したりしているんですか?
色々なフォーマットで聴いてますね。レコードはもちろん、CDも聴くし、サブスクもめちゃめちゃ利用しています。でも、実はずっとサブスクを頑なに拒んでた時期があったんですよね。アナログ派だったので、そんな軟派なものには手を出さんぞみたいな意識があって(笑)。で、一度お酒飲んだ勢いでサブスク登録して使ってみたんですよ。……もうね、びっくりしましたよ! 便利すぎて!! 僕ね、中学くらいから集めてきた音楽を全部取り込んだ外付けのハードディスク、もう何百ギガみたいな容量のやつを毎回繋げて音楽聴いてたんですけど、サブスクあったらもうそれほぼ要らないじゃんみたいな。衝撃でしたよ。ただ音楽聴くだけじゃなくてプレイリストも作れるし、コミュニティ機能みたいなのもあるし。iPodですら衝撃だったのに、それよりすげーって今更ながら感心させられました。それ以来、めちゃめちゃ使ってます。

曲の探し方でいうと、今日持ってきたNuggetsのレコードもそうですけど、コンピレーション盤を聴いてそこから気に入った曲を見つけて、そのアーティストの曲を辿って音楽性を広げていくっていうのは結構やりますね。レコード会社毎のコンピはチェックしています。ちょっとマニアックなレーベルのやつは見つけたら絶対買っちゃいますね。好きなのはカリスマ・レコードとか、ヴァーティゴとかのコンピですね。

——では、ご持参頂いたお気に入りのレコード3枚をご紹介ください。

■Todd Rundgren『Wizard a True Star』

レコードとしての魅力を十分に堪能できる1枚です。変形型のジャケットも内ジャケもめちゃめちゃかっこいい! ちなみにこれ、A面の大部分がメドレーなんですよね。アルバムの全編を通して聴くっていう楽しみも存分に味わえると思います。ぜひレコードで聴いてほしいな。

■The Dave Clark Five『Glad All Over』

こういう初期のブリティッシュ・インヴェイジョン系の音楽は、レコードで聴くとさらに魅力を感じられると思います。こういう音楽を聴いてロックを好きになったので、僕の音楽のルーツとも言えるかもしれません。すごく思い入れの強いジャンルの作品です。

■Nuggets『Original Artyfacts From The First Psychedelic Era 1965-1968』

死ぬほど好きなコンピレーションアルバム。ガレージロックもレコード映えするジャンルなのかなと個人的には思います。ギターの鳴り方とか、全然違って聴こえるんですよ。こういう時代のロックってレコードで聴かないと、本来の曲の良さというか作り手の意図を知れてない可能性が結構あると思います。レコード盤で聴いて、「え! こんな曲だったんだ」って改めて衝撃を受ける作品ってあるんですよ。

——3枚ともレコード盤で聴いて欲しい作品ということですね。音楽的な原体験を教えてください。
完全にThe Beatlesですね。小学校くらいの時に、親父の車の中で『Past Masters Vol.2』がよく掛かっていたのを覚えてます。というか僕自身がこのアルバムが好きで、親父に掛けてくれってよくお願いしてた気がしますね。まあ、でも親父はそこまでロック大好きって感じではなく、世代的に聴いていたという程度だったと思います。

——みのさんがロックにのめり込んだきっかけは?
中学生の頃、本格的にロックを聴きだした初日から今の熱量なんですよ(笑)。もう、宗教体験に近いレベルの人生の変わり方だったと思います。音楽以外のものが全てどうでもよくなってしまったというか(笑)。当時、地元の図書館によく行ってたんですが、そこにあったロックのCDは全て借りていると思います。あと、中学2年から今に至るまで常にバンドを組んでいますね。シアトル渡ったのも音楽のためだったし、向こうでもバンドをやっていました。

——今回、パーソナルバイヤーとしてどんなレコードをピックアップくださる予定ですか?
今ちょうどバンド(自身のバンド、ミノタウロス)のレコーディング中で、今まで書き溜めていた曲を一気に形にしてるところなんですよ。色々な時期をまたいだ曲が入るので、統一感のない作品になりそうなんですが、その影響もあってか、『White Album』とかBob Dylan and The Bandの『地下室』とか、ごちゃっと色々な曲が入ってる感じの作品を最近よく聴いていて。そういう統一感のない作品の良さを再発見しているところ。なので今回選ぶのも、おのずとそういう作品が多くなってくるかもしれません。レコードでアルバムを通して聴いてもらうことによって、“まとまりのなさの良さ”を味わってもらえたらなと。

——ありがとうございます! 楽しみにしています。では、最後に今後の活動予定やお知らせを教えてください。
今作っているアルバムは年内の発売を目指しています。下手したら2枚組になっちゃうかもしれないくらい曲がありますね(笑)。レコード盤も出せたらいいな。あとですね、活動予定ではないんですが、つい先日、歌舞伎町で「烏龍倶楽部(ウーロンクラブ)」というレコードバーをオープンさせたんですよ。この前ちょうど店用にレコードの買い付けに行ってきたところ。会員制のバーなんですが、9月いっぱいは誰でも入れる形になっていますので、よろしければぜひチェックしてみてください。

申込者へのプレゼント用メッセージカードも記入してもらいました。

(※本記事は2019年9月に、PERSONAL BUYERのサイトにて公開されたものです。)

▼PERSONAL BUYERの詳細はこちらをご覧ください
【NEWS】新ゲストバイヤーにみの (ミノタウロス)の参加が決定!!

 

みの(ミノタウロス)

みの(ミノタウロス)
みの(Vo/Gt/Composer)がロックを玉座に還すべく、2017年「ミノタウロス」として音楽活動を始動。 敬愛する 60's/70'sのエッセンスを再構築したトラディショナルなロックンロールを、現代感覚とブレンドさせた世界観とサウンドを併せ持つ。

https://www.minotaur-music.com/

インタビュー:濱安紹子
写真:則常智

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