Kiefer インタビュー/Stones Throwから『Happysad』をリリースしたばかりのキーファーに独占取材

WRITER
バルーチャ・ハシム

キーファー

ジャズ・ピアニストであり、ヒップホップ・プロデューサーでもあり、ジョナ・レヴィーン率いるセクステットのジョナ・レヴィーン・コレクティヴではピアニストとしても参加するキーファー。ジャズ 、ヒップホップ・シーンから注目を集め、Stones Throwの傘下レーベルLeaving Recordsから2017年にファーストアルバムをリリース。2018年06月25日には、Stones Throwから『Happysad』をリリースしたばかりの話題の彼に、音楽遍歴から、愛するレコードの紹介まで、多くを語ってもらった。

Kieferの音楽遍歴とは?

――あなたはジャズ・ピアニストであり、ヒップホップ・プロデューサーでもあるわけですが、ジャズとヒップホップのどちらを先に好きになりましたか?
間違いなくジャズだね。今もジャズのアプローチからヒップホップをやってるんだ。ヒップホップはまだ勉強中だよ。父親がジャズ好きで、ピアノを趣味でやってたから、その影響でジャズが好きになったんだ。そこから俺もオスカー・ピーターソン、マイルス・デイヴィス、ジーン・ハリス、ソニー・クラーク、ハービー・ハンコック、ジョン・コルトレーンなど数々のジャズ・アーティストにのめり込んでいったんだ。父は毎日何時間も音楽を聴く人だったから、それに影響されたよ。

――最初はクラシックのピアノのレッスンを受けていたんですか?
母親がピアノを演奏できるから、子供の時に楽譜の読み方を少し教えてくれたんだ。8歳か9歳くらいからクラシックのレッスンを受けるようになった。でもその前から、父親がインプロヴィゼーションの演奏を教えてくれて、主にブルースの即興演奏を教えてもらっていたよ。クラシックのピアノのレッスンはあまり面白くなくて、やりがいは感じていたけど、毎週ピアノのレッスンを受けに行くのはあまり楽しみじゃなかった。

キーファーとレコード

――その後、ジャズのレッスンも受けるようになったんですか?
そうだね。15歳〜16歳の時に、ボブ・ホルツという先生からジャズピアノのレッスンを受けるようになった。クラシックは12歳か13歳の時に辞めたんだ。ジャズピアノのレッスンを受けるまでは、独学でジャズを練習してたんだけど、先生についてから、もっと方向性がはっきりしたね。ジャズ・スタンダードを勉強したり、ジャズ・ハーモニーの理論などを学んだんだ。ボブから、ビル・エヴァンス流のジャズ・ハーモニーを学んだんだ。

――同時期にヒップホップのビートも作るようになったんですか?
当時作っていたビートは、ヒップホップではなかったね。Garage Bandでファンクっぽいトラックを作っていたんだけど、それは12歳〜13歳の時に始まった。ヒップホップにはまったのは、16歳か17歳の頃だったね。

キーファーの作曲スタジオ

Kieferがヒップホップにのめり込んだきっかけとは?

――ヒップホップにのめり込んだきっかけとなるアーティストは?
第一にJディラだね。マッドリブも大好きだよ。高校生の時に、ロバート・グラスパーを聴くようになって、友達からJディラの事を教えてもらったんだ。ロバート・グラスパーのCDをAmazonからオーダーしたんだけど、発送が1ヶ月くらい遅れたんだ。商品を売ってくれた人が悪く思ったみたいで、何枚か焼いたCD-Rをお詫びに送ってくれたんだ。その中に、スラム・ヴィレッジのVol. 1とVol. 2、コモンの『Like Water For Chocolate』、ビラルの『1st Born Second』が入ってたんだけど、未だにこれらの作品がフェイバリットだよ。違法行為だけど、人生を変えるCDだったね。

――そのCDを聴いて、大好きだったジャズと、ヒップホップの間に共通点が見えたんですか?
その通りだね。初めてロバート・グラスパーの『Double-Booked』を聴いた時、Jディラ流のヒップホップの柔軟なビートと、ジャズのフレキシブルなビートの間に共通点が見えた。しっくりきて、もっと掘り下げたくなったんだ。そこから、自分でもビート作りをする時に、レコードをサンプリングをしてみたんだけど、サンプリングが下手だっていうことに気づいたんだ。あとサンプリングよりも、自分で楽器を演奏した方が音をコントロールできることがわかったんだ。

キーファーのレコード

――その他に好きなヒップホップのプロデューサーはいますか?
まだまだ知らないヒップホップが多いんだけど、好きなものを聴いてるよ。マッドリブの『Shades of Blue』、『Madvillainy』を聴いて衝撃を受けたのも覚えてる。あと、ピート・ロックも大好きだよ。一番好きなヒップホップのプロデューサーはJディラ、マッドリブ、ピート・ロックだね。

――もっとも影響を受けたピアニストは?
毎週変わるんだ。お気に入りのピアニストをある時全部書いてみたんだけど、全部で90人くらいいたね(笑)。ヒップホップ・プロデューサーよりもピアニストの方が詳しいんだ。ハービー・ハンコック、オスカー・ピーターソン、マルグルー・ミラーがもっとも影響を受けた3人のピアニストだね。オスカー・ピーターソンは、父親と聴いて好きになったから思い入れがあるし、テクニック、グルーヴ感も完璧なんだ。他の二人よりもっと伝統的な演奏法だけど、スウィング感が強力で、ハーモニーはシンプルだった。

ハービーは、もっとも冒険的でクリエイティブなミュージシャンだから大好きなんだ。彼はピアノを超越していて、俺もいつかああいうアーティストになりたい。彼はあらゆるところからインスピレーションを得ていて、どのアルバムもサウンドが違うんだ。彼はあらゆるスタイルが演奏できるし、同じことを繰り返さないから大好きなんだ。

――ジャズといえばニューヨークというイメージがありますが、なぜニューヨークの大学に行かなかったのでしょうか?
どっちの街が優れているというのはないけど、俺にはLAが合ってたんだ。LAはあらゆる場所から音楽的要素を取り入れている街だけど、ニューヨークはニューヨークだけから影響を受けている印象を受けるんだ。俺はそういう場所には行きたくなかったし、LAのミュージシャンはあらゆるスタイルを演奏する。世界中の他の街がLAを模倣しているのはそういう理由があると思う。それに俺はもともと西海岸出身だから、ニューヨークの寒い冬には向いてないんだ(笑)。

後編:Stones Throwと契約に至った経緯やお気に入りのレコードをご紹介。

Kiefer

Kiefer
ジャズ・ピアニストであり、ヒップホップ・プロデューサーでもあり、ジョナ・レヴィーン率いるセクステットのジョナ・レヴィーン・コレクティヴではピアニストとしても参加する。
昨年Leaving Records からリリースしたデビューアルバムが米 A2IM のベスト・ジャズ・アルバムにノミネートされ、ここ日本でもジャズ、ヒップホップ両シーンで話題に。またマインドデザインやテラスマーティンのバンドメンバーとしての活躍、アンダーソン・パックやケイトラナダの楽曲への参加など LA の次世代を担うプロデューサーとしてジャズ、ビートシーンの両方から熱い注目を集める。
Stones Throwの傘下レーベルLeaving Recordsから2017年にファーストアルバムをリリース。
2018年06月25日には、Stones Throwから『Happysad』をリリースしたばかりで話題。

WRITER & PHOTOS バルーチャ・ハシム

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