Jake One (Tuxedo) タキシードの結成からメイヤー・ホーソーンとの出会いまで

WRITER
バルーチャ・ハシム


ジェイク・ワンとメイヤー・ホーソーン

メイヤー・ホーソーンとの出会い、そしてタキシードの結成

――ラッパーにトラックを提供するところから、どうやってタキシードを始めるようになったのでしょうか?
 ハウスシューズがメイヤーのことを教えてくれたんだ。当時、俺は80年代の曲を入れたミックステープを作って、「LAにメイヤーという奴がお前と同じタイプの音楽が好きだよ」って教えてくれた。俺が80年代の曲をプレイして、よくみんなにちゃかされてたんだけど、メイヤーも同じようなことをやってたんだ。だから、彼と出会ってすぐに意気投合したよ。彼は「Just Ain’t Gonna Work Out」の初期のバージョンを聴かせてくれて、素晴らしいと思った。歌を歌っていたのも知らなかったからね。同時期にキーボードのレッスンを、ミゴスの「Bad And Boujee」を手がけたGクープというプロデューサーから受けていたんだ。キーボードを取り入れるようになって、最初に作ったのがタキシードの「Lost Lover」だった。トラックをメイヤーに送って、すぐにボーカルを入れて送ってくれた。タキシードの曲を初めて作ったのは、2008年だったと思う。これは彼がファースト・ソロ・アルバムをリリースする前の話だよ。その直後にメイヤーが大ブレイクしてしょっちゅうツアーするようになったんだ。ツアーの合間を縫って彼が俺の家に3日間くらい来て、「So Good」、「Watch The Dance」などを作ったんだ。そこからアルバムを作って、ツアーが忙しくなった。まったく予想もしなかったね。未だに、俺がステージで何千人ものオーディエンスの前でキーボードを演奏してるなんて信じられないね(笑)。

――タキシードの曲は、ヒップホップと同じようにサンプリングから作っているのでしょうか?
いや、タキシードの曲ではサンプリングはしないんだ。タキシードはそもそも、サンプリングしないでどこまで自分が曲を作れるか挑戦したかったから始めたんだ。ヒップホップとは違うチャレンジだよ。ビンテージのキーボードを使うことで、ユニークなサウンドになっている。Memory MoogというビンテージのシンセをEbayで買って、届いた日に「So Good」を作ったんだ。Memory Moogは70年代後半のポリフォニック・シンセだけど、タキシードのサウンドの肝なんだよ。みんなサンプリングしてると思ってるみたいだけど、タキシードではサンプルは使ってないんだ。

――『Tuxedo II』のサウンドはとても躍動感がありますが、バンドで作ってるのでしょうか?
タキシードのアルバムはどれも、俺がアイデアをまず作り始めることが多いんだ。俺はピアノのマスターじゃないから、上手い人に来てもらって演奏してもらう。タキシードの数々の曲に参加して、ツアーにも同行してるサム・ウィッシュとか、シアトルのスクーターというキーボード奏者に演奏してもらっている。俺が曲の土台を作って、メイヤーが色々な展開を作ったり、ボーカル・メロディを作るんだ。メイヤーは、曲を完成させるのが上手いんだ。俺は飽きっぽい性格だから、アイデアを作るのが得意なんだけど、完成させるのが苦手で、メイヤーはすごくディテールにこだわってる人なんだ。

――ザップとのコラボレーション曲「Shy」を今年に入ってリリースしましたが、この曲の誕生秘話は?
2015年に、ザップのメンバーと日本のサマーソニックで出会ったんだ。俺らの出番がザップの前だったんだよ。メンバーと会ったんだけど、ザップのマネージャーのレズリー・トラウトマン・ジュニアがタキシードのファンだったんだ。日本で2〜3日間は彼らと話す機会があって、ザップが新作を作ってると教えてくれたんだ。そのアルバムにタキシードとして参加しないかオファーされて、俺たちは当然OKを出したよ。もともと「Shy」はザップのアルバムに収録されるはずだったけど、あまりにもかっこいい曲だから、俺たちのアルバムにも入れようということになったんだ。

――「Shy」のボーカルは誰が歌ってるんですか?
あれはメイヤーが歌ってるんだ。トークボックスはザップ(テリー・トラウトマン)が演奏しているよ。レスター・ジュニアは、ザップのドラマーのレスターの息子で、レスターは今もザップのリーダーで、ドラムを叩いてるんだ。

――ロジャー・トラウトマンの死後、ザップのメンバーが再結成したんですか?
ロジャーが亡くなって、しばらくザップは活動していなかったけど、また再結成したんだ。それを知らなくて、日本でライブを観たときは驚いたよ。彼らのライヴを見て、自分たちのライヴを変えることにしたんだ。

――タキシードの新作は作ってるのでしょうか?
ああ、作ってるよ。ザップ以外に、いろいろなゲストが参加してるんだ。曲は結構出来上がってるから、完成に近づいているよ。今年リリースする予定なんだ。シー・ローが参加してる曲もあるし、MFドゥームが参加してる曲もある。トニ・トニ・トニのドウェイン・ウィギンスも1曲参加してる。今まで誰もフィーチャーしたことがないから、前作とは違うサウンドになるよ。

――今まで影響を受けたレコードの紹介をお願いします。


(左)First Love - Love At First Sight (C.I.M.) (右)Vance and Suzzanne - I can’t get along without you (Vanton Records)

ファースト・ラヴの『Love At First Sight』は、俺とメイヤーがDJするときによくプレイするんだ。「Party Lights」という曲がかっこいい。82年の作品だけど、タキシードっぽいサウンドなんだよ。

Vance and Suzzanne - I can’t get along without you (Vanton Records)
これはメイヤーのお気に入りの曲なんだ。12インチなんだけど、彼がプレイしていて、「なにこれ?」って思って聞いたんだ。ディスコっぽい要素が強い曲だね。これは結構レアな12インチだよ。

Bobby Humphrey - Satin Doll (Blue Note)

これは94年くらいに買ったレコードだけど、マイゼル・ブラザーズのプロダクションは大好きなんだ。「My Little Girl」は大好きな曲だよ。スタンダードなレアグルーヴのアルバムだけど、素晴らしいレコードだね。セカンド・トゥ・ナンがサンプリングしたから注目したんだけど、最近は一つの作品として聴いてる。

Wood, Brass and Steel - Hard and Heavy (Sugar Hill)

Sugar Hillはラップのレーベルだけど、70年代後半の80年代前半のソウル・ファンクなんだ。よく聴いてるレコードだよ。タキシードは、どちらかというとザップ、ビヨンド・シルヴァーズ、リロイ・バージェス、ロッド・テンパートンに影響されてるんだ。

 Cameo – Cameosis (Chocolate City)

これは間違いなくタキシードのインスピレーションになった作品だね。「Shake Your Pants」、「We’re Going Out Tonight」は大好きだよ。ああいう曲を作ってみたい。このアルバムのすべてに影響されたし、この時代の最高傑作のひとつだね。ダンサブルな曲もあれば、バラードもすごく良い。99年か2000年にまたこのレコードを買いなおしたよ。



Logg - Logg (Salsoul)

このアルバムはタキシードに多大な影響を与えたよ。リロイ・バージェスがプロデュースしていて、彼がボーカルも担当しているんだ。このアルバムが、ブギーファンクのプロトタイプだと思う。ジャズコードが素晴らしいし、コード進行が意外性があるんだ。2003年くらいに買ったんだ。ジャズを探してる人は、このアルバムを買わないだろうけど、内容は素晴らしい。このアルバム以上の素晴らしいブギーファンクはないかもしれない。

――最後にタキシードファンにメッセージをお願いします。
 日本はタキシードを完全に理解してくれる。日本の人とは音楽の趣味も合うし、日本の食べ物も大好きなんだ。日本の人はいつも良くしてくれるし、俺たちの音楽をサポートしてくれて本当に嬉しい。俺たちのすべてのライヴに来てくれるお客さんもいる。それって凄いことだよ。だから日本にはとても感謝している。ディスクユニオンに行けば俺たちと会えるよ(笑)。いつもディスクユニオンで金を使い果たしてる。7月12日から日本でツアーをやるんだ。沖縄のフェスに出演して、東京、大阪でもライブをやるんだ。SOUND MUSEUM VISIONでライブをやるときは、いつも盛り上がるんだけど、今回も楽しみだね。

ジェイク・ワンとメイヤー・ホーソーンのスペシャルユニット: Tuxedoの来日ツアーが7/12〜17に行われる。Billboard Live TOKYO、OSAKAでの単独公演や、沖縄での“CORONA SUNSETS FESTIVAL 2018”に続き、DJセットでの追加公演が渋谷SOUND MUSEUM VISIONで開催決定!お約束のタキシードの生の歌声が聴けるというサプライズも期待!

 “TUXEDO JAPAN TOUR 2018 at Sound Museum Vision”
日時:2018年7月15(日・祝前日) OPEN 22:00
会場:東京・渋谷SOUND MUSEUM VISION
料金:前売り ¥3,500 / 当日 ¥4,000

Zappとのコラボ曲“Shy“が話題沸騰!ヒップホップを通過したディスコ、ブギーサウンドで日本中にタキシード旋風を巻き起こした奇跡のユニット、Mayer Hawthorne × Jake One: Tuxedo (タキシード) が再びSOUND MUSEUM VISIONへ登場!!

イベント詳細:http://www.vision-tokyo.com/event/tuxedo-japan-tour-1806

 

Jake One

Jake One
50セントなどG-ユニット関連作品やデ・ラ・ソウルのプロデュースで2000年代に名を上げたヒップホップ・プロデューサー。2008年ソロ名義でのアルバム『White Ban Music』をリリースし、高く評価され、カリフォルニアを中心に活動するシンガー・ソングライター/プロデューサーのメイヤー・ホ-ソーンとタキシードを結成。2006年からコラボレーションが始まり、シックやシャラマー、ザップあたりを彷彿とさせるディスコ/ブギー・サウンドを制作。2014年に『Tuxedo』でアルバム・デビュー。日本でもロングセラーを記録、来日公演も盛況を博す。2017年に2作目『II』をリリース。

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