レコードとILL-BOSSTINO - 中学生時代から今も聞いている3枚 -

WRITER
富山英三郎

「レコードにゾッコンLOVEなウェブマガジン」として、さまざまな方にレコード愛を語っていただくこの企画。今回は、北海道から中央への刺客としてデビューし、ときに異端児扱いされながら突っ走ってきたTHA BLUE HERBのILL-BOSSTINOさんが登場。ラッパーとしてのみならず、DJとしても活動されるBOSSさんにテーマを設けてもらい3枚をセレクトしてもらいました。
また、後半には4月11日に発売されたばかりのTHA BLUE HERB 20周年ライブDVD『20YEARS, PASSION & RAIN』の話をたっぷりと伺っています。台風が直撃するなか行われた日比谷野外音楽堂での伝説的ライブ、その舞台裏がいま明かされます!

「音楽的な背景もわからず、なんでこの曲に魅かれたのかを考えると興味深い。」

――BOSSさんはDJもされて、ヒップホップのみならずハウスなど幅広い音楽がお好きだとは聞いていましたが、今回は意外性のある3枚ですね。
ハウスが好きとか特によく言われて、その度に俺は何度も言ってるけど、音楽全部が好きだよ。ここにあるのは中学生のときに聴いていて、いまも聴いている曲たち。

――なるほど、だから80年代半ばの3枚なんですね。出会いの順番はどんな感じでしたか?
中学時代のことだから順番は覚えてないね。当時、函館郊外の田舎に住んでいて、もちろんインターネットもなかった。でも、土曜の深夜から朝方にかけてテレビでMTVが流れていたんだよ、そこで初めて洋楽ってものを知ったというか。小学生の頃はいわゆる日本のアイドルしか周りにはなかったけど、中学でMTVに出会ったのはデカかった。

――ちょうどレコードからCDへと移り変わる時期じゃないですか?
そうだね、ちょうど変わり目。でも、親父が音楽好きだったから家にプレイヤーがあったし、俺は全部レコードで買ってた。当時、新譜の7インチが500円とか600円だったかな。田舎の電器屋にもレコードコーナーがあって、情報も何もないけど気になるものを小遣いで買うみたいな。それから大人になってDJをするようになって、12インチシングルの音の良さを知って、追体験しながら買い直していったんだよね。

――では、今日持ってきてくださったのは、大人になって再度買い揃えたものなんですね。
そう、当時は7インチで持ってた。でも、中学生のときに「かっこいい」とは思っていたけど、改めて考えると「中坊にこれがわかるか?」っていう感じもあって。音楽はすべてそうだけど、歳を取ってから聴き直すとそこにあるメッセージとか聴こえ方が全然違ってくる。

――ほんとそうですよね。
だから、昔よく聴いていた懐かしい曲に、もう一度ちゃんと耳を傾けるっていう楽しみ方はありだなっていうか。THA BLUE HERBの20年間もまったく同じで、昔の曲を自分で歌っていても思うからね。そういう意味でも侮れないよね。「ガキの頃に聴いていた」だけで済ますのはもったいない。むしろ、音楽的な背景もわからず、なんでこの曲に魅かれたのかを考えると興味深い。

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THA BLUE HERB

THA BLUE HERB
ラッパー: ILL-BOSSTINO、トラックメイカー: O.N.O、ライブDJ: DJ DYEの3人からなる一個小隊。1997年札幌で結成。以後も札幌を拠点に自ら運営するレーベルからリリースを重ねてきた。'98年にファースト・アルバム「STILLING, STILL DREAMING」をリリース。以降も作品のリリースやツアーを重ね、2017年は結成20周年を迎える。10月29日には日比谷野外大音楽堂で20周年記念ライブを台風直撃豪雨の中、集まった3,000人のオーディエンスと新たな伝説を刻んだ。 公式ホームページ:www.tbhr.co.jp

取材・文:富山英三郎
撮影:則常智宏

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