――それは楽しそうですね。ところで最初に買ったレコードを覚えてますか?
「この『Let It Be』が初めて買ってもらったレコードです。小学校4年の時ですよ」
――なぜ『Let It Be』を?
「福岡のフタタっていう洋服屋さんで映画『Let It Be』を観て、で、すごいものを観てしまったと思って、親父に『買ってくれ!』って言って。これがその現物です」
――これがその実物なんですね。
「そう。だから1973年、今から43年前の話しです」
――それにしても、小学校4年でビートルズのレコード買うなんて少しませてますね!
「そうかな?九州とかで育つとさ、九州から出たことないからラジオが世界に通じてる唯一のドアみたいなもんで、ラジオはよく聴いてたから、ビートルズは耳にしてた。でも、そんな九州の他の地域のことすらようわかんないのに、ロンドンのAPPLEの屋上で演奏してるビートルズを観た時は、なんかすごいものを見てしまったぞと思ったよね。しかも、結局俺が一番好きな曲ってこのアルバムに入っている『The Long And Winding Road』だから。一番好きな曲が最初に買ったレコードに入っているっていうのがすごいなって。だからこのレコードのことは忘れられないし、去年、自分のラジオ番組でこのレコードをかけた時はウルっときたもん(笑)」
――せっかくなので他にも想い出のレコード教えてください。
「『BLACK AND BLUE』!これは中学一年だったと思うんだけど、当時シリア・ポールっていう人が土曜日の午後にFM東京で『ダイヤトーンポップスベスト10』っていう番組をやってて。その番組で「Hot Stuff」が流れてきたんだよね。チャートの1位だったの「Hot Stuff」が。で、俺たちめっちゃ豊かな時代に育ったわけですよ。ストーンズがラジオのチャート1位だもん。そのギターの感じとかファンキーな感じがビートルズに続いて俺の人生を変えたので。この『BLACK AND BLUE』も当時買った現物です。13歳か14歳だと思うけどパン屋でバイトして買いました。まだ俺がギターを弾く前のことだよね」