grooveman spot インタビュー

WRITER
Hiroyuki Ichinoki

ヒップホップグループENBULLを出発に、DJ/ビートメイカーとして様々な音楽にアプローチしてきたgrooveman spot。近年はソングライティングにも手を伸ばすなど作風を広げる彼は、先頃ビートアルバム『Resynthesis[Green]』も発表したばかり。震災後は地元・仙台に戻って活動を続ける彼に、人生を変えたレコードや、アナログレコードに対する思いなどを語ってもらった。

――そもそも音楽生活の始まりは?
小学校の頃から踊ることが好きで、それに音楽がついてた感じですね。それで中学入ったらバンドブームでXとか聴いてたんですけど、マクセルのCMでMCハマーを見てなんだこれはと。それで急にブラックミュージックにどっぷりになったんですよ。当時はヒップホップって言葉も知らなくて、タワーレコードさんの「bounce」(フリーペーパー)を見てラップ/ソウルってジャンル分けでCD買うようになって、ファーザーMCとかニュージャックスウィングに毛が生えたようなラップにハマって。

10代の頃のgrooveman spot

――アナログレコードへのこだわりはその後、本格的にヒップホップに触れるようになってからですよね。
アルバムでみんながかけない良い曲を探すことは、MUROさん育ちの僕は昔から当たり前にやってて、ヒップホップでもR&BでもLPは常にアナログで買ってました。僕の前のアルバムもアナログ用にミックスしてプレス工場でカッティングマスタリングしてもらったり、(作り手としても)そこはこだわるとこですよね。

grooveman spotとDJ MURO

――様々なジャンルの音楽を聴かれると思うんですが、特にアナログ盤を買うのはどのあたりのものですか?
一番レコードで買うのは90年代のヒップホップ。90年代のヒップホップのシングルは、やっぱり聴いてて一番落ち着きますね。データでは下(低音)も上(高音)もだいぶ削ぎ落されてますし。2000年以降にデジタルDJが始まって、ジェイZもカニエも12インチ出さなくなった時期の12インチは一番音が悪くて、その頃はダンスミュージックのアナログを買うことが多かったです。

――アナログ盤はモノとしてより、音の良さが第一なんですね。
ただ、今ってアナログありきのミキシングもマスタリングもしてないから、アナログだから音が良いって時代じゃなくなってるんですよね。逆にヨーロッパのテクノとかハウスとかダンスミュージックの方は感動的に音が良いですよ。デジタルでやってるようなDJでも曲作ってるような人は、多分デジタル用にミキシングしてると思うんで、データでもやたらに音が良いし。

――そこはDJとして当然、臨機応変にならないとっていう。
レコードが先に来た時代のレコードはアナログ盤でかけた方が良いと思うけど、デジタルDJが主流になってきてからのアナログはちゃんと音が良いか自分で判断した方が良いし、デジタルの方がパンチあるじゃんってこともあるんでそこは使い分けて。今のクラブでもデジタルマターに出音作っちゃってて、「うわー」みたいなこともあるけど、「アナログでかけたらこんな良い音になるんだ」みたいなのはDJで一番重要だと思うんですよ。デジタルでもほとんどの曲はコンプもEQもかけて良い状態でアーカイヴしてそれをかけてるので、ただインポートしてかけるっていうことはないし。

――良い音こそ現場の魅力の一つですしね。いろんな音楽聴いていく中で、前聴いてたようなものに飽きちゃうことはありませんか?
それが僕はないんですよ。iPhoneに入れて移動中聴くようなものはしょっちゅう変わるし、リリースされてない新しい音楽もネットで探して聴いたりして、旬は変わりますけど、1年ぐらい経つとまた前聴いてたものに戻るっていうのをずっと繰り返してるんで。

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grooveman Spot

grooveman Spot
DJ / ビートメイカー / プロデューサー。1993年からのクラブDJとしてキャリアスタート。ヒップホップ、ソウル、ファンク、ジャズ、ハウス、テクノ、和物、シティポップなど育んできた音楽的経験をターンテーブルから発信し、自身の作品にも落とし込んでいる。2012年東日本大震災を機に出身地である仙台に居を移し、地元ローカルで緩くも非常にユニークな活動を続ける。grooveman Spot以外にも、MC U-ZipplainとのユニットENBULLや、sauce81とのユニット77 KARAT GOLDとしても活動している。

By Hiroyuki Ichinoki
Photos by Daisuke Urano

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