Gilles Peterson インタビュー 〜 ジャイルス・ピーターソンのキャリアからおすすめレコードまで

WRITER
mari* Kimura

Gilles Petersonさんの思い入れがあるレコードとは? 後編ではGilles Petersonさんにレコードを紹介してもらいます。

ジャイルス・ピーターソンの人生にとって大切なレコード

――現在、約50,000枚のレコードをお持ちだそうですが、ここのBrownswoodのスタジオにも、壁いっぱいにレコードがあります。あなたの人生にとって大切なレコードを3枚セレクトしてください。

Light of the World『Round Trip』

これは私が初めて自分で開催した音楽イベントでDJした作品だよ。ここに、「3L」と書いてあるでしょ。これは3枚目という意味さ。私は、クラブDJ/ラジオDJという仕事柄、良いと思ったレコードは、バシバシかけるし、何度でも買い直すんだ。この「3L」は、3=3枚目のL=Light of the Worldという意味。15歳の頃だったかな… 両親が旅行に出ている合間に集めていた鉄道模型を売って、ターンテーブルを2台、ミキサー、カセット・プレイヤーといった、基本的なサウンド・システムを友達から買ったんだ。でも月々の支払いをするには、もっとお金が必要で、イベントをやってお金を稼がなきゃ!ということになったんだ。「Under 14 Disco」というパーティで、会場はBelmontにあるAndrew's Hallという教会の中にあるホール。チケットは学校で手売りしたんだけど、会場いっぱいのキッズが集まったよ! そして、ちょうどこの日にリリースになったのがこのレコード。当時からいち早く新しい音楽をかけたいと思ってたんだよね。当日は持っていたレコードの数が少なすぎて、このアルバムを何度かけたかな。とびきりの1曲は「Time」! Incognictoのメンバーも演奏してるんだけど、まさにIncognitoのような最高のブリティッシュ・ジャズ・ファンクさ。

Supertramp Crime of the Century

8歳年上の兄と、4歳年上の姉の部屋からは、さまざまな音楽が流れてきて、末っ子の私は、その両方の部屋から流れてくる音楽に、よく耳を傾けてた。 姉は、Simon & Garfunkel、The Beatles、David Gates、Cat Stevens、Carole King、Joni MitchellやCarpentersが好きで、兄は、Pink Floyd、Black Sabbath、Deep Purple、Grateful Dead、Led Zeppelinといった、どちらかというとロックで実験的な音楽が好きだった。 兄が聴いていたWeather Reportなんかは私にとって最初のジャズ的音楽体験だったのかもしれないね。なかなかいい音楽に囲まれてたでしょ! そして姉が大好きだったのがSupertrampというアーティストで、私もその影響でSupertrampが好きになった。I Love Supertramp!

Mark Murphy Stolen Moments

ここに「Sutton Library」というスタンプが押してあるけど、これは図書館から拝借したレコードということになるかな(笑)。学生の頃、よく図書館でレコードを借りてたんだけど、このレコードは好きすぎて返すのを忘れちゃったんだ。Mark Murphyのサインが入ってるけど、「To Jess」って書いてあるでしょ。私の友達のJessがMark Murphyに会いに行った時に、サインをお願いしたら、Markは「To Jess」と書いちゃったんだ(笑) 。

レコードは、音楽だけじゃなくて、芸術や文化と触れることができる美しいもの。私はサッカーをしたり観戦するのに夢中で、美術館に行ったり、アートに興味を持つような少年ではなかった。でも音楽にのめり込むようになって、レコードを集めたり聴いたりすることで、芸術や文化に関心を持つようになったんだ。これは、年を重ねるほどありがたいと思えること。例えば、このMark Murphyのレコードを家でじっくり聴いたら、この作品にはどんな意味やストーリーがあるのだろ? グルーヴを感じると同時に、その音楽はどこから来た音楽なのかな……。そんな風に、もっと作品のことを知りたくなると思うんだよね。その答えを探すこと、答えを知ることで、素晴らしい経験をできるし、そのジャーニーは、感動的なことだと思ってるよ。

WORLDWIDE FM:

ジャイルス・ピーターソンが2016年9月に設⽴したオンライン·ラジオ局。2017年、イギリスのラジオとオーディオ業界の優秀者を讃える授賞式ARIAS (AUDIO & RADIO INDUSTRY AWARDS)でBEST ONLINESTATION賞を受賞。開局1年にしてイギリス最⾼峰のオンライン·ラジオ局となった。東ロンドンに本部を構え、パリ、ブリュッセル、東京、京都、ベルリン、リオデジャネイロ、ニューヨークをはじめ、世界各都市からの番組発信や⽣放送を取り込んだ編成を実現し、その名の通り「ワールドワイド」なラジオ局として注⽬されている。ロンドンで生まれたユニークなサウンドをいち早くキャッチできると同時に、Louie Vega、Francois K、Motor City Drum Ensemble、Channel One、Shabaka Hutchinson、松浦俊夫、沖野修也といったダンスシーンの巨匠からUKジャズシーンのリーダーがレギュラー番組を持つ。真の⾳楽を追求し、世界の⽂化とストーリーを伝えるその新しい⾳楽のプラットフォームである。

https://worldwidefm.net/

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ジャイルス・ピーターソンのラジオ人生をコミックで知る!

Comic by Ben Conners

http://benconnors.blogspot.com/

 

Gilles Peterson (ジャイルス・ピーターソン)

Gilles Peterson (ジャイルス・ピーターソン)
ラジオ/クラブDJ、レーベル主宰、ジャーナリスト。80年代よりアシッドジャズ〜クラブジャズシーンのキーパーソンとして活躍。自身が主宰するインディペンデント・レーベルBrownswood Recordingsでは、常に新しい音楽やアーティストを世に送り出している。少年時代からのパッションであるラジオの分野では、UK国営放送局BBCで20年以上に渡り番組を持ち、現在は音楽チャンネルBBC Radio 6 Musicでの看板番組を務める。日本でもJ-WAVEやInterFMで人気番組「Worldwide」をオリジナル・バージョンで放送を続けた。2016年、ファイル転送サービスWeTransferのクリエイティブ・ディレクターに就任し、インターネット・ラジオ局WORLDWIDE FMを設立。世界でもっともリスナーを持つラジオ・プレゼンターと評価されている。毎年南仏Seteで開催しているWorldwide Festivalは、その音楽のクオリティの高さでヨーロッパを飛び越え世界中で大評判になり今年13周年を迎える。さまざまなプラットフォームから精力的に音楽を世界に発信する音楽の革命家。
https://www.gillespetersonworldwide.com/

取材:mari* Kimura (https://www.instagram.com/marinx611/)
撮影:Martin Eito (http://www.martineitophotography.com/)

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