エミ・マイヤー インタビュー/レコードに対する想いからニューシングル「Wings」の制作秘話まで

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REVINYL編集部

アメリカを拠点に活動するシンガー・ソングライター、エミ・マイヤーさん。日本人の母親とアメリカ人の父親の間に生まれ、3才の頃に京都からシアトルに移住。07年にジャズ・ボーカリスト・コンペティションで優勝し、その後、国内外の著名アーティストと共演を重ね、フジロックなど各地の大型フェスにも出演するなど、新世代女性シンガーソングライターとして人気の彼女。その他にも、プリウスのCMソングや、三菱UFJモルガン・スタンレー証券などのCMソングでお茶の間への認知度も高いエミ・マイヤーさんに、結婚&出産を経て今月リリースされるニュー・シングル「Wings」についてお話を伺いました。このニューシングルはなんと、アナログのみの超限定リリースとのこと。レコードでリリースするに至った理由と、レコードに対する想い、さらに「Wings」の制作秘話など多くを語って頂きました。

――DONUTS MAGAZINEはレコード文化に特化した媒体なので質問です。エミ・マイヤーさんは最近レコードを購入しましたか?
実は数年前なんですけど、ザ・バンドのロビー・ロバートソンに会いに行った時に買いました。彼のレコードを3枚と、息子さんと書いている絵本を入手して、友達のギタリストがロビーさんの大ファンなのでお土産としてサインして頂きました。

――小さい頃は、どのような音楽を聴いて育ちましたか?
そうですね、母親が家の台所でお料理をしている時にかけていた音楽が、ビートルズやスティーヴィー・ワンダーやクラシックだったので、幼少期はそういうような洋楽を聴いて育ちましたね。

――そうなんですね。ちなみにレコードやプレイヤーはその頃ご自宅にあったのでしょうか?
3歳の頃にシアトル市内に引越しをしたのですが、新しい家を見学しに行った時に、レコード・プレイヤーが置いてあったことを覚えています。しかも、そのプレイヤーとレコードのために特別な棚が作られていたことがとても印象深かったです。私もまだ小さかったので、子供向けの家具などミニサイズなものに興味があって、プレイヤーとレコードが上手くはまるようにデザインされていた家具がそこにあって、小さい頃のレコードの想い出というと、その時のことが蘇ります。

©SUNSET LIVE 2018

――現在、家ではどんなメディアで音楽を聴かれますか?
忙しい時はその瞬間で1番便利な形で音楽を聴きますが、余裕がある時は自宅のスピーカー (B&W zeppelin air, Bang and Olufsen beoplay )、もしくはパソコンからMeridian Audio(英国を代表するオーディオ・ブランド)のExplorer 2 D/A converter をヘッドフォン (sennheiser) に繋げて聴きますね。

――現在はストリーミングが主流となってきていますが、音楽配信とレコードの違いをどう考えていますか?
1番大きい違いは音の厚さと暖かさ、楽器それぞれの輪郭だと思います。それとはまた違って大きな意味で、音楽への価値観と儀式っぽい感覚がストリーミングでは欠けていると感じますね。お店に行ってレコードを探し出して買って、その重さを感じながらプレイヤーにのせて、そしてその音を味わうという段取りが、茶道やヨガだったりに似ていて、それは、生活のスピードを整えて、自分のエネルギーを集中させる行為だと思いますよ。ただ、音を聴くだけでなく、音にたどり着くまでのリチュアル(儀式)も回転が早くなってきた現代に、レコードはとても魅力のあるメディアだと思います!

 

――ニュー・シングル「Wings」はアナログのみの超限定リリースと伺っていますが、レコードでリリースする理由を教えて下さい。
A sideと B sideに適した2バージョンがあるからです(笑)! あと、本作のリリースに、何か特別感を与えたいと思ったのがきっかけで、さらに、ヒップホップのバージョンと、70年代のノスタルジックな(ナッシュビルで録った)フルート入りの弾き語りバージョン、それぞれがアナログに適した暖かい音だと思ったのでレコードとしてリリースすることにしました。数は多くなくても、本当にこの曲を気に入ってくれた人に買ってほしいということもありますね。いつも私の音楽をサポートしてくれている皆さんへの親密なプレゼントみたいなイメージです。受け取ってください(笑)!

――カップリングはナッピー・ルーツによるヒップホップ・ミックスですね。
私が中学校のころに「Awnaw」やグレッグ・ストリート 「Good Day ft. Nappy Roots」で大ヒットしたヒップホップ・グループです。2002年にアメリカで1番売れたヒップホップ・グループだそうです。良く聴いていたバンドなので今になってコラボできるとはとても嬉しいし、いつか日本にも来たいと言っていました。その時は是非とも共演したいですね。

 

――「Wings」は美しいメロディーラインに、歌声とホーンズ、フルートがシンプルに融合された素晴らしい楽曲ですね。この曲が出来た経緯を教えて下さい。
最初はナッピー・ルーツがサンプルできるピアノとフックを作り、そして、それを膨らませていくという流れでした。詩は、夢や希望を小鳥に例えています。時には自分をコントロールしようとせず、手を広げて流れに身を委ねてみる。時が経ったらまた自然に自分がいるべき場所に戻ってくる、というイメージの楽曲ですね。

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Emi Meyer

Emi Meyer
日米双方で活動するシンガー・ソングライター。日本人の母親とアメリカ人の父親の間に京都で生まれ、1才になる前にアメリカのシアトルに移住。
07年にシアトルー神戸ジャズ・ボーカリスト・コンペティションで優勝。デビューアルバム「キュリアス・クリーチャー」は iTunes Storeや多くのCDショップのJAZZ チャートで首位を獲得。iTunes StoreではJAZZカテゴリーの年間ベスト・ニュー・アーティストにも選ばれた。
暖かなスモーキー・ヴォイスは数々のCMでも聞くことができる。また、Jazztronik、Cool Wise Man、ケン・イシイ、大橋トリオ、Def Tech、さかいゆう、永井聖一(相対性理論)、冨田ラボ、SPICY CHOCOLATE、JJJ、DJ OKAWARIらとの共作曲でも幅広い層に支持されている。パリでレコーディングされたジャズ・スタンダード・アルバム「モノクローム」はiTunes Storeのジャズチャートでシングル、アルバムともに1位となった。レコードでのみリリースされる最新シングル「Wings」は10/3に発売予定。
http://emimeyer.jp

By REVINYL編集部
Photos courtesy of plankton

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