DJ Spinna インタビュー/スティービー・ワンダーやプリンスのトリビュート・パーティーのキーマン、DJスピナがレコード愛を語る

WRITER
Yayoi Kawahito

日本やヨーロッパなどグローバルな活躍で世界中にファンを抱えるDJスピナ

ニューヨークのブルックリンを拠点にアメリカ国内のみならず、日本やヨーロッパなどグローバルな活躍で世界中にファンを抱えるDJスピナ。80年代ニューヨークのクラブシーン全盛期でのDJ経験から、ヒップホップ、ファンク、ソウル、R&B、ジャズ、ダンスミュージック等の幅広いジャンルで選曲を繰り広げ、現在DJでは重鎮的存在にまでなり、プロデューサー/ リミキサーとしてもデ・ラ・ソウルやメアリー・J. ブライジ、スティーヴィー・ワンダー等、数々の著名アーティストを手掛けている。本人主催イベント『Wonder-Full』や、映画監督スパイク・リーとの共演『Brooklyn loves Michael Jackson』等でDJとしても参加するなど、生まれ育ったブルックリンのコミュティーから世界中へと多くの音楽ファンを魅了し続ける。そんなDJスピナにDONUTS MAGAZINEが独占インタビューを決行。スピナと共にブルックリンにあるレコード屋Human Head Recordsを訪れ、DONUTS MAGZINEのパーソナルバイヤーとして100ドル分のレコードを選んでもらい、さらにレコード愛についても語ってもらった。

――あなたは、ブルックリンのコミュニティを大切にしている印象を受けます。
ブルックリンは独自のカルチャーがある場所なんだよ。ブルックリンという場所ならではのオリジナリティに特化したイベントでDJをして、人々をひとつにする事は重要に思っている。でも実際の所、昔から住んでいる人は、地価の上昇で難民と化して引っ越したり、時代の流れで違うカルチャーが入ってくる事によって、この土地ならではのユニークな“ルーツ”を失ってきているのが現状なんだ。僕はネイティブ・ブルックリンで、過去のこの街のあり方を知るオールドスクーラーとして、地元の人々と共に地に足を着けておく事が必要だと感じている。だから、小さい地域のパーティー、フリーイベント、勿論スパイク・リーとのパーティーも、全て僕にとっては意味があり特別な存在なんだ。

――その想いは定期的に開催しているマイケル・ジャクソン、プリンス、スティーヴィー・ワンダーのトリビュートイベントを開催する意図とも関係していますか?
このイベントは小規模な形で始まって、その後に成長していった。初めからいる人々は僕と相互関係にあるフォロワーだよ。時間が経っても、これらのイベントに昔から来てくれている人達が今だに来て楽しんでくれている事はとても重要なんだ。なぜならさっきも話した様に情勢は変わりつつあるし、実際ここ3、4年で客層も若くなり本来の“パーティー”というアイディアやコンセプトを理解してない人達もいる。だから昔から僕のイベントに来てくれている人は、パーティーをより理解しているから大切だ。

――DJをする際に、お客さんを楽しませるにあたって気を遣っている事は?
毎回、その現場で起きている事に注意を払って、その場の雰囲気が下がれば、お客さんが踊って、歌っている状況に方向性を持って行き、常に皆んなが楽しめるように調整している。それとレコードをかけている時は頭の中で4、5曲先にかける曲を既に想像している。時々その場の雰囲気や、お客さんの感じ、自分がどういった反応を求めるかによって臨機応変に対応しているよ。曲をかける30秒前に次の曲を変える事もある。

DJスピナのレコードジャンル

――レコードを買う時は、だいたいどのジャンルから掘りますか?
ジャンルは気にせず何でも聴くから、特に決まっていないね。今日はこのお店に来て、ブラジルから来た友達が持って来たレコードを沢山見たよ。勿論ブラジルの音楽も大好きだけど、でもこのお店はハウスからソウル、ロックからブルース、ジャズ、レゲエ、カリビアン、ラテンまであるから全部気になるよね。

――日本に来るときもレコード屋に行きますか?
勿論。一度、京都に行った時に、あまり誰も行った事がないお店に行ったんだけど、そこには日本プレスの帯付きの7インチ70年代ファンク、ソウルが沢山あった。東京のレコ屋よりも、郊外の方が安いね。

――最近探しているレコード、欲しいレコードは?
常に変わるよ。まぁ現時点で言えば、レアなディスコ、ブギー、ファンクのレコードを探している。僕はヴァイナル・ジャンキーだから、常にその時の状況で変わるし、欲しいと思ったものを見つけると、そのレコードをしばらく見つける事が出来ないと思って思わず買ってしまう(笑)。

――デジタルが主流となってきていますが、まだレコードを好む理由は?
レコードを持っている事は、誰かに盗まれないか、家が火事になったりしない限り、デジタルファイルのように消えてしまわないからね。あとはレコードを手に取ったときの感覚、アートワークやクレジットから得られるもの、さらに、インナースリーブにはライナーノートやリリックが書いてあるから、その曲について深く学べる。それはとても重要なことであって、最終的にそのレコードに愛着が湧く。さらに深いところまで話すとすれば、レコードの溝を見る事によって、音が大きくなるポイント、小さくなるポイントっていうのが見分けられる。レコード盤を見る事によって、ドラムブレイクを過去にたくさん見つけたことがある。レコードをプレスしたり、マスタリングセッションに行く事で本当に勉強になった。この細い針が、実際にレコードの溝をなぞり、その振動はケーブルを経由しスピーカーを通して音を奏でる。だからスピーカーはあんな風に動くんだ。レコードならではの振動が音の空間を生み出し、その音の振動を体で感じて人々を踊らすんだ。

――再発盤を買うこともありますか? その基準は?
再発でも聴きたいなら全然買うよ。再発の方が、オリジナルより音が良い場合もあるしね。確かにオリジナルはハードコア・コレクター達のレコードコレクションの価値を高めるけど、でも音楽というものを本当に愛していれば関係ないことだよ。再発盤も素晴らしく、それなりの目的があってのものだと思うしね。

後編:DJ Spinnaが選ぶ100ドル分のレコードをご紹介

DJ Spinna

DJ Spinna
プロフィールニューヨーク・ブルックリン出身DJ/プロデューサー/リミキサー。
アメリカ国内のみならず、ヨーロッパや日本などグローバルに活躍中。全盛期のニューヨークで若くしてDJを始め、ハウス、ファンク、ソウル、R&B、ジャズ、ヒップホップ、ダンスミュージック等の幅広いジャンルの選曲を繰り広げ、クロスオーバーな世界感を創り出すパーティーロッカー。プロデューサーやリミキサーとしても、数々の著名アーティストと共演し成果を納めている。生まれ育ったブルックリンのコミュティーから世界中へと多くの音楽ファンを魅了し続ける。
http://djspinna.com

by Yayoi Kawahito
Photos by Still 1
Location at Human Head Records

世界中のレコードを、その手の中に
  • Google Playでアプリをダウンロード
  • App Storeからアプリをダウンロード

関連記事


新着記事

すべての記事をdig!