7インチレコードを使ったDJプレイで世界的にも最も知られる日本人DJ KOCO a.k.a. SHIMOKITA氏にインタビュー

WRITER
Kiwamu Omae

――では、ここからは、今日持ってきていただいた、実際に現場で2枚使いで使用している、お気に入りの7インチレコード3点の紹介をお願いします。


L.T.D.「Love To The World」

この曲は、去年、日本のユニバーサルの依頼で、エディットさせてもらって、日本語の入ったジャケ付きの7インチでも発売されています。この曲で2枚使いするのは最後のオールドスクールなブレイクのところで。けど、最後に少しだけ入ってるだけなので、エディットした時にはそのブレイクを頭にも持っていきました。このブレイクの2枚使いって、結構、腕の見せ所で。どこをループさせるとかで、その人のセンスが出ますね。

――ちなみに、今日も持ってきてもらったのはプロモ盤ですが、正規盤ではなくプロモ盤なのは?
正規盤もあるんですけど、僕にとっては天敵のスチレン(注:一時期、アメリカで使われていたレコードの素材。ヴァイナル(=塩化ビニール)と比べて耐久性が低いため、擦れ易く、すぐにノイズが出る)で。ヴァイナルで出ているのがプロモ盤と、あと当時出ていた日本盤もそうですね。


Ruby Andrews「Didn't I Fool You」

この曲はメイン・ソースの「Just a Friendly Game of Baseball」のドラムのブレイクが中盤に入っていています。けど、本当に中盤なんで、すぐにプレイするためにはニードルドロップが必要で。BPMが90くらいなんですけど、実はこの曲は針を上げて、それを全く同じところに置くと、永遠にループが出来るんですよ。種明かしをすると、BPMが90だと、一周でちょうど2拍進む計算になる。それをよくみんな、ジョー・テックスの「Papa Was Too」って曲でやっていて。それを見て「何で?」って思って、そのままやったら自分も出来たんですよ(笑)。ちなみにルビー・アンドリューズは他の曲(「You Made a Believer (Out of Me)」)をQ・ティップが使っていたりしますね。

――ちなみにこういったネタもののファンクの7インチは結構高かったりします?
このレコードも今はまあまあ高いと思います。けど、基本的に値段は気にしないですね。欲しいものがあれば買うし。もちろん安いほうが良いですけど。DJにとってはやっぱり商売道具なので、その辺は割り切っていて、使ってなんぼだと思ってます。


TheJ.B.s「The Grunt」

この曲をプレイする時は二枚使いでループしながら、ずっと進んでいく感じですね。JB系の曲は毎回1曲は絶対にかけるような感じで。やっぱりジェームス・ブラウンは好きだし、テンションが上がります。あと、ヒップホップでサンプリングされている曲も多いから、馴染みもあるし。この上でラップをすれば、それがヒップホップだと思ってるんで。

――今日は全部2枚組みで持ってきてもらいましたが、基本どんなレコードでも2枚ずつ欲しい感じですか?
そうですね。けど、無いものはしょうがないので、1枚しかなくても、それでも上手くかけれるように考えます。似たような他の曲と2枚使いしたり。それに、多分、全部2枚使いしたら飽きられると思うんで。1枚でしかかけないときもあれば、すぐに変えちゃったりする時もあるし、逆にがっつりかける時もあります。

――最後にDJとしての今後のビジョンを教えてください。
需要があるところだったら、どこでも行きたいですね。僕が好きな音楽を好きな人が増えて、そういうシーンが盛り上がるのが一番嬉しいです。それから、7インチに限らず、ヴァイナルのDJがもっと増えたら良いなって思いますね。パソコンはパソコンで良いところがあるけど、ヴァイナルはヴァイナルで良いところがあるし、7インチは7インチでもっと良いところがあると思うので。

――今年に入ってからも、テクニクスのイベントでラスベガスへ行ったり、Red Bullのイベントで台湾に行ったり、立て続けに海外に行っていますが、海外でDJをやる時の反応ってどうですか?
正直、日本よりも反応が良いですね。良いものは良いってすぐに言ってくれるし、ストレートに返ってくる。今となってはSNSを始めたから、結構、みんな僕のことを知ってて観に来てくれる人が多いですけど、5年くらい前に僕のことをまだほとんど誰も知らない状態で、初めてサンディエゴで『Freestyle Session』っていうBボーイのバトルの大会でDJをやらせてもらったことがあって。本戦があって、夜にパーティがあったんですけど、その時に僕がトリで回したら、もの凄く盛り上がっちゃって。プレイが終わった後に沢山人が寄ってきて、次の日に大会の会場に行っても、「KOCOが来た!」っていう感じで、急に態度が変わって(笑)。だから、プレイが良ければみんな認めてくれるんだって、あの時に痛感しましたね。

KOCO a.k.a. SHIMOKITA

KOCO a.k.a. SHIMOKITA
世界のVINYL DIGGERをも唸らせる選曲と、バトルDJにも引けを取らないパーフォーマンス性・技量を併せ持ち、ライブ感120%のそのPLAYは常にオーディエン スを魅了する。FUNK、SOUL、DISCO、REGGAEなど様々なジャンルをHIP HOP的な解釈、手法で操る45's DJ。

Text & Photos by Kiwamu Omae
撮影協力 ディスクユニオン下北沢店

世界中のレコードを、その手の中に
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