世界一のレゲエ博士でありジャーナリストのデヴィット ・カッツに独占インタビュー

WRITER
Yayoi Kawahito

――ちなみに今日見つけたレコードの中で、紹介したいものはありますか?


Schooling The Duke / Don Drummond(1962)

この7インチは両面キラーソングだ。インストルメンタルなんだけど、サウンドシステムのバトルチューン。なぜならタイトル通り「Schooling The Duke」は、Coxsone RecordsのプロデューサーであるCoxsone DoddがDuke Reidに調教の意を込めた曲で、それはスカでは本当に真実だったから。Coxsonはジャズマンでかなりのジャズヘッドだったからスカでは先頭に立っていて、Dukeはそれに遅れをとってたんだ。曲を聴いてわかるけど、この楽曲はジャマイカンミュージックであって生粋なジャズなんだよ。それは例え歌詞がなくても、多くを語っているんだ。Don Drummondの作曲は奇抜的で、他の音楽にはない非常に特徴的であってジャマイカらしいね。



Pablo Meets Mr. Bassie / Augustus Pablo(1978)

これは、Horace AndyがAugustus Pabloとしたトラックのメロディカダブ・カット。「Mr. Bessie」はレゲエ音楽でのベースマンについてで、なぜベースが重要なのかという事を述べている。ロックを考えると、ギターはリードだけど、レゲエのベースはメロディーを奏で、ギターはリズミカルなチョップを演奏するという変則系でしょ。だからHoraceの曲は、なぜベースが大事な存在なのかと、ベースプレーヤーに彼の曲を演奏するように訴えているのさ。このカットは、そのメッセージをPabloが鍵盤ハーモニカで表現したカットなんだ。逆サイドの「Jah Strenght Ital Step」もやばいダブだよね!


Jim Squeachy/ Big Youth(1976)

これは、スタラグリディムのカット。Big Youthがセルフプロディースしたもので、スタラグをカットしている。彼は既にWinston Rileyのカットをしていたんだけど、彼らはリディム交換をしたんだよ。恐らくBig Youthは、「現金じゃなく、リディムで払ってくれ」と言ったんだろう。そしてこの曲をこのリディムで制作し、リリースした。参考になる面白い一枚だよ。映画についての曲なのか、ただのスラングなのかはっきり分からないけど。これは、モーターバイクで速くジグザグで運転している事についての曲なんだ。彼は、”It was I, Jim Squeachy”(それは僕が、ジムスクイーチーだった?)ってバイクでキーッと音を立て、運転している様子のことなんだ。そしてブラザーはDilly Dally(ゆっくりふらふらしているんだけど)、裏面には「Dilly Dally」ってタイトルのダブで、マイペースでイージーゴーイングにいっているという意味。「君は速く運転しすぎ、クラッシュしちゃうぜ。クラッシュして、燃えて尽きてしまうからちょっと冷静になれよ」と伝えているんだ(笑)。

――新しいレゲエシーンはどう思いますか?
僕はChronixx、Protoje、Jah9、Raging Fyah、Dubtonic Kruなどのアーティストが非常に好きだ。Chronixxはとても知的で、巧みなリリシストだ。彼の音楽はとても印象的だね。Protojeは歌詞も良いし、政治に対しての視野でも、彼なりのコンテンツを持っていて、芸術的に進化してきている。Samouly Iの様な、他の旬なアーティスト達も才能的で、彼らの作品を創造し進化させていってるよね。

David Katz(デヴィット ・カッツ)

David Katz(デヴィット ・カッツ)
ジャマイカ音楽歴史家、ジャーナリスト、フォトグラファー、DJ。レゲエの情報を世界中に発信するキーパーソンである。「Solid Foundation:An Oral History of Reggae」やLee Scratch Perryの伝記「People Funny Boy:The Genius of Lee “Scratch” Perry」「Caribbean Lives:Jimmy Cliff」の書籍を手掛ける著者として名を知られ、その他雑誌、ラジオ、テレビ、ドキュメンタリー等でも様々な貢献を果たす。ジャマイカ、西インド諸島モナの大学でのフォーラムにてジャマイカ音楽についてプレゼンテーションを行い、Bunny Wailer、The Skatalites、Steel Pulse、Horace Andy、Jah Shaka、Beenie Man、 David Rodiganを含めた数々のレゲエアーティスト達とワークショップも実施している。現在では、ロンドンでレギュラーイベントも”Dub Me Always" も毎月開催している。さまざな形でレゲエという音楽を世界に伝える伝道師。
https://sites.google.com/site/authordavidkatz/
https://www.facebook.com/dubmealways

Yayoi Kawahito

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