世界一のレゲエ博士でありジャーナリストのデヴィット ・カッツに独占インタビュー

WRITER
Yayoi Kawahito

ジャマイカ音楽歴史家、ジャーナリスト、フォトグラファー、そしてディスクジョッキーでもあるデヴィット ・カッツ。10代の頃にレゲエ、そしてジャマイカの文化に魅了された彼は、「Solid Foundation : An Oral History of Reggae」やリー・スクラッチ・ペリーの伝記「People Funny Boy : The Genius of Lee “Scratch” Perry」「Caribbean Lives : Jimmy Cliff」の著者としての活躍を経て、世界中に名を知られている。

彼の文章と写真はThe Wire、Wax Poetics、Riddim等を含めアメリカ、ヨーロッパ、日本、数々の音楽出版社に掲載され、英国最大のラジオ局BBC Radioのレゲエ番組では、共催ホストを務めるなどもしている。2015年に上映された「Lee "Scratch" Perry's Vision of Paradise」のドキュメンタリーにも出演参加、来日講演するなど、テレビ、ドキュメンタリー、ワークショップ様々な音楽活性化に関する事業にも携わっている。青春時代にレゲエに魅了され、天才パイオニアリー・スクラッチ・ペリーとの出会いを経て、著者として大きく飛躍した。ジャマイカ音楽の素晴らしさを伝える発信者として、絶対的に欠かすことの出来ないジャーナリストの一人と言っても過言ではないそんなデヴィット ・カッツにレゲエの思い出話からレコード愛まで語ってもらった。

――レゲエの本を執筆し、出版したストーリーを聞かせてください。
話せばとても長くなるんだけど、いくつかのハイライトを話すよ。僕は早い段階でレゲエにハマったんだ。10代の頃、1970年後半から80年前半にかけて、その当時からレゲエという音楽は僕の人生の一部と化した。サンフランシスコ北部の小さな町で生まれ育ったことはラッキーだったよ。インターネットが主流になる前、最新の音楽を体験する上でラジオの存在はとっても重要だった。僕が育った町サンラファエルではKTIMというラジオ局しかなく、でもこのラジオ局は非常に進歩していたんだ。毎週日曜の夜に放送されるMidnight Dreadという2時間のレゲエ番組があって、それを毎週聴いていたよ。

――毎週聴いていたんですね。
そして、映画「The Harder They Come」や「Rockers」を観て、「Reggae Bloodlines」「the Catch A Fire」等の本も読んだ。17歳の時、高校を早く卒業する為にテストを受け、貯めたお金で数ヶ月イギリスに行った。多数のサウンドシステム、ライブバンド、海賊ラジオ局やお店などが並び、ロンドンには目に見えて、そして耳にする事が出来るくらいの大規模なジャマイカンコミュニティーが存在していた。まさにレゲエ天国だったよ。Aswardが『Live And Direct』をリリースした年にNotting Hill Carnivalで彼のパフォーマンスを観た。とても最高だったよ。だから、常にイギリスには戻りたかったんだ。

――リー・ペリーとの出会いは?
英文学をサンフランシスコ州立大学で学んだ後、バンドをやったり、アンダーグラウンド音楽雑誌Wiring Departmentで執筆をした。当時 リー・ペリーが『Battle of Armagideon: Millionaire Liquidator』をリリースした時に、そのアルバムについての記事を書いたんだ。1986年12月にロンドンに戻り大学の学位を修め、数週間後、そのマガジンの為にリーと連絡を取って彼にインタビューしようとした。初めて彼に会った1987年3月、彼はインタビューするにあたり儀式を行うのに多忙で、マガジンのコピーを持って去ったんだ。

彼は僕の書いた記事を読み、ロナルド・レーガン、マーガレット・サッチャー、イングランド女王の間違ったことは辞めなくてはならないと伝えた曲「Introducing Myself」について述べたのが非常に気に入ったらしく、彼は僕の事をずっと探していた。その翌日、僕は彼のスタジオに呼ばれ、奇妙な儀式で迎え入れ、僕にバイオグラフィーを書くように命じた。彼の会社で2年間を過ごし、スタジオやリハーサルでの仕事中の彼を観察し、パフォーマンスがあれば行って更に観察を続けた。その後、彼はジャマイカに戻り、スイスに再興した。そして、この本をリリースしようと、10年間出版社からの拒否の手紙を受け取り続け、最終的にリー・ペリーという人物、なぜ彼が重要な存在なのかを理解する出版社を見つけたんだ。そこで少しの前進があり、僕は彼の家族、関連あるアーティスト、プロデューサー、エンジニア達に取材をする為、ジャマイカに行った。その2年後にやっと本を書き終え、リー本人と数日間座り、原稿を読み、不備を訂正して校正を終えたんだ。「People Funny Boy」は長い年月をかけ、やっと2000年に出版された。

――「Solid Foundation: An Oral History of Reggae」を執筆した理由は?
それまでの年月で僕はレゲエに纏わるアーティストやプロデューサー達250人の取材をこなしていたから、既に本のアイディアがあったんだ。それが「Solid Foundation: An Oral History of Reggae」で、他社の出版社と契約を交わし、その後2年間ジャマイカに旅を続け、およそ100回くらいの取材を行い、2003年に出版されたんだ。


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David Katz(デヴィット ・カッツ)

David Katz(デヴィット ・カッツ)
ジャマイカ音楽歴史家、ジャーナリスト、フォトグラファー、DJ。レゲエの情報を世界中に発信するキーパーソンである。「Solid Foundation:An Oral History of Reggae」やLee Scratch Perryの伝記「People Funny Boy:The Genius of Lee “Scratch” Perry」「Caribbean Lives:Jimmy Cliff」の書籍を手掛ける著者として名を知られ、その他雑誌、ラジオ、テレビ、ドキュメンタリー等でも様々な貢献を果たす。ジャマイカ、西インド諸島モナの大学でのフォーラムにてジャマイカ音楽についてプレゼンテーションを行い、Bunny Wailer、The Skatalites、Steel Pulse、Horace Andy、Jah Shaka、Beenie Man、 David Rodiganを含めた数々のレゲエアーティスト達とワークショップも実施している。現在では、ロンドンでレギュラーイベントも”Dub Me Always" も毎月開催している。さまざな形でレゲエという音楽を世界に伝える伝道師。
https://sites.google.com/site/authordavidkatz/
https://www.facebook.com/dubmealways

Yayoi Kawahito

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