Caravanインタビュー

WRITER
リバイナル編集部

湘南に自らのスタジオを構え、自由に音を作り、自由にツアーに出るというスロー・ミュージック・ライフの一人者、Caravan。そんなCaravanのオススメのレコードとレコードへの想い。

――レコードで聴いた方が沁みるアルバムを紹介してもらっていますが、後半の3枚をお願いします。
「次はシンガーソングライター、マーク・ベノのアルバム『マーク・ベノ』です」

――マーク・ベノは『雑魚』というアルバムも有名ですよね。
「そうですね。マーク・ベノの作品はスワンプ・ロック、アメリカ南部の音楽なんですが、俺、大好物なんですよ。しかもこのアルバムはレコーディングメンバーもすごく良くて、ライ・クーダーやブッカー・T・ジョーンズなどが参加している贅沢なレコーディングです。だけど音はすごくザラっとしています。カラッとしたブルースの合間にすごいいい曲が必ず入っている構成で、バランスもすごい良いです。アルバムのジャケットでいうと、こういうパーマかけたくて、美容室にジャケットを持っていって『こういう感じのパーマにしたいんですけど』ってオーダーしたことがあります(笑)」

――マーク・ベノのジャケットを美容室に持って行く人ってかなりレアだと思いますよ(笑)。しかもこのジャケット写真だと髪型の全容がわかないですし(笑)。
「言われてみたらそうですね(笑)。パーマは大失敗しました。マーク・ベノの髪型は外国人の癖毛ですからね。再現はできなかったです」

――(笑)。落ちもついたので次の1枚をお願いします。
「これもシンガーソングライターですけど、ニック・ドレイクの『Five Leaves Left』です。このアルバムも大好きな1枚です。ニック・ドレイクは若くして亡くなってしまって、数枚しかアルバム出してないんです。曲もギターも歌も、その温度感が決して張らなくて、しゃべり声に近い感じで淡々としているんですけど、すごいドラマチックだし、アコースティックなんだけど時にすごいスペイシーだし、不思議なところにアプローチしていて、他にない世界観を作り出している人です。『Five Leaves Left』を初めて聴いた時は『おー!』ってヤラレましたね。のちにCDで聴き直したんだけど、レコードの方がグっときます」

――特に好きな曲はありますか?
「『Cello Song』はタイトルの通りチェロがフィーチャーされた曲なんですけど、ある時どこかのクラブでDJが四つ打ちの曲をずっと繋いでいた中にこの曲を急に入れたんです。この曲自体、全然ダンスミュージックじゃないんですけどトリップ感がダンスミュージックと同じだったんですよ。結構静かな曲ですが、トリップ感、生々しさがすごくいいんですよね」

――マーク・ベノにしてもニック・ドレイクにしても日本では正直人気はないのが残念です。
「俺が好きな人って人気がないんですよ。あと俺が好きなミュージシャン、全然日本に来ないし(笑)。なんとかして欲しいんですよね」

――そして、最後の1枚がニール・ヤング先生!
「ニール・ヤング先生は言わずもがなですけど、彼の持つ独特の孤独が好きな世界観ですね。ニール・ヤングには『Harvest』という名盤もあり、うちの自分の事務所の名前が〝HARVEST〟なのは、事務所のあり方がニール・ヤング・フレイバーだからです。それで彼のアルバムの名前を冠しています。でもアルバムとしてはこの『After the Gold Rush』が大好きで、本当に何回聴いたかわからないくらいです」

――名曲ぞろいですしね。
「そうなんですよ。あとジャケットもさりげなくよくて。CDだとわかりにくいんですけど、レコードの大きさで見ると写真としての良さがよくわかります」

――ところで、今でもレコード屋さんは行きますか?
「ツアー中に行きますね。ライブハウスに入る前の空き時間は、結構レコード屋さんを散策します。そういう風に旅先で買うと思い出に残るんですよ。『あの時買ったな』とか『広島の〇〇で買ったな』とか。聴く時にそういう音楽以外の付加価値というか思い出がくっついてくるのがレコードの好きなところです」

――それはデータだと無いですからね。
「そうなんですよね。データだったら何でもサクッと楽で、引越しも楽なんでしょうけどね(笑)」

――物理的なことで言えば、データに比べたら運搬も保管もレコードは大変なわけですが、レコードが魅力的なのは何だと思いますか?
「CDと比べてもレコードの方が良く聴こえるくらいなので、データと比べたらもっと違うんだと思います。そこは1つありますよね。それと聴くという姿勢だと思います。ペットボトルじゃなくてお茶淹れる感じとでも言いますか…」

――どういうことですか?
「『何飲みたい?』って聞いたら『ほうじ茶飲みたいな』って言われ、ほうじ茶を淹れて3分待って、しっかり味わうそんな感じの嗜好品に近いと思うんです、レコードを聴くことって。その行為とか作法も含めて〝聴く〟ってことになっている気がします。面倒臭いんだけどわざわざコーヒー豆挽いてコーヒー入れる感じと近いんですよね。缶コーヒーで喉をただ潤すのとは違う、贅沢なものなんだと思います」

――音楽を発信する側として、ストリーミング、CD、レコードはどんなふうにすみ分けていますか?
「“Slow Flow Music”という自分のレーベルを立ち上げてから配信は一切してないです。ただアナログだけとなってしまうと聴く人を選んでしまうので、CDとレコードでリリースしています。レコードは全タイトルでリリースしているわけではないのですが、CDでも手にとって買う喜びは味わってもらえますので。あと、ブックレットをめくりながら音を聴くあの感じ、音楽に集中する小1時間って豊かな時間だと思うし、いい時間だと思うんです。だからそういう時間を提供したくて配信はしていません。好きな曲だけを30秒だけサクサク聴いて『このアルバムいいね』っていう感じじゃなくて、じっくり何回か聴いて欲しいです。はじめ聴いた時はピンとこなかったけど、何回か聴くと最後の2曲いいなぁとか、そういうことって結構あるじゃないですか?そういう面白さは物として手にとって聴いてもらった方が伝わる気はしています。まぁこんなデジタルな時代に時代錯誤かもしれないけど、物として音源を届けたいんです。だからアナログも出来る限り作りたいです。ちなみに、前作『Quiet Fanfare』はアナログとCDでリリースしたら、アナログは圧倒的に男子が買ってくれてました。そういう客層の違いも“物”として届ける面白さですよね」

――去年の11月にリリースになった新作『The Harvest Time』はレコードでのリリースは?
「今のところCDのみですが、レコードでも後から出したいと思っています」


ハーベスト10周年記念アルバム
「The Harvest Time 」Now On Sale!!!
SFMC-005 3,000yen+tax

01.Astral Train (Instrumental)
02.Retro
03.Heiwa
04.Travelin’ Light
05.Rainbow Girl
06.モアイ
07.Chantin’ The Moon
08.Yardbirds Swingin’ (Instrumental)
09.Maybe I’m a Fool
10.Stay With Me
11.Future Boy
12.おやすみストレンジャー
13.夜明け前
14.In The Harvest Time
HARVEST ONLINE SHOP , ヴィレッジヴァンガード, go slow caravanその他の店舗にて販売。

Caravan / Retro【MUSIC VIDEO】

~Live Schedule~

Caravan “The Harvest Time” TOUR 2018
2月3日(土)古河Cafe Lounge BEEP
2月9日(金)奈良カナカナ
2月11日(日)高知 蛸蔵
2月12日(月・祝)高松umie
2月14日(水)鹿児島Duckbill
2月16日(金)長崎県美術館
2月18日(日)広島4.14
2月20日(火)姫路AMP.
2月22日(木)松阪M’AXA
2月23日(金)中津川Majolica-Bamboo
2月25日(日)静岡 秘在寺
3月16日(金)二子玉川SOUL TREE
3月18日(日)三島 cafe&bar日家
3月21日(水・祝)新潟 りゅーとぴあ能楽堂
3月22日(木)高崎SLOW TIME
3月24日(土)喜多方 大和川酒造 昭和蔵
3月25日(日)塩竃 杉村 惇美術館
4月6日(金) 大阪Banana Hall
4月8日(日)名古屋BOTTOM LINE
4月14日(土)福岡IMS HALL
4月15日(日)岡山YEBISU YA PRO
4月21日(土)札幌Con Carino ※Acoustic Set : Caravan &下広輔
4月22日(日)札幌Con Carino
5月20日(日) EX THEATER ROPPONGI

世界中のレコードを、その手の中に
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