「酒とレコードと男と女」お酒とレコードを楽しめるお店を巡る(第5回)

WRITER
ジョー横溝

家鴨社


小京都と呼ばれる大人の街・神楽坂。最近は、飯田橋駅に近い神楽坂下付近はチェーン店も多く、趣が失いつつあるものの、少し奥に入れば、大人が心から堪能できる良いお店が沢山あり、個人的に大好きな街だ。今回紹介するお店「BAR 家鴨社」があるのも、神楽坂通り沿いだが、神楽坂上という、趣のあるお店が犇めくエリアだ。

「BAR 家鴨社」は、2017年の11月でオープン3年を迎えた新しいお店だが、店内は、細かいところまで手が行き届いており、直ぐに良店であることがわかる。お店を切り盛りするのは、オーナーでもある岡村修平さん。岡村さんは新宿三丁目のオーセンティックバーで修業を積んだ腕利きのバーテンダーさん。「家鴨社」では、ウイスキーからカクテルまで、オーセンティックバーで楽しめる飲み物は一通り堪能出来る。

「BAR 家鴨社」のもう1つの売りがレコードだ。LPだけで約2000枚、7インチも約500枚は置いてある。レコードのジャンルは、JAZZ、ROCK、J-POPと様々。岡村さん曰く「置いてあるのは自分が好きで買っているレコードです」とのこと。中でも特徴的なのは、日本の若手バンドのレコード。、Suchmos、Nulbarich、Yogee New Wavesといったあたりをしっかりとレコードで網羅してくれている。

特にお客さんからのリクエストではレコードをかけない。岡村さんがかけたいアルバムを片面ずつかける。ドリンクもしっかり作るので、1曲毎に盤を換えることが出来ず、片面ずつ聴いてもらうということだ。とはいえ、選曲にはこだわりがある。「レコードの良さ、レコードを聴きながらお酒を飲む良さを知って欲しいので、知ってる曲、有名なアルバムを挟みつつ名盤をかけますね」と語る岡村さん。というのも、神楽坂には100件以上のバーがあるそうだが、意外にもレコードを聴かせる店はほとんどないんだそうだ。「神楽坂にはレコードを聴きながらお酒を飲むカルチャーがないんで、まずはその魅力を伝えたいんです」と続けてくれた。

では、どんなレコードに神楽坂のお客さんは反応するのだろうか?その質問に、荒井由実『ひこうき雲』を挙げてくれた。言わずと知れた、細野晴臣、鈴木茂などが参加している名盤であり、収録曲の多くがカヴァーをされている。「みんなが知ってる曲も多いので、レコードで聴く良さがわかってもらえるんですよ。“レコードっていいね”って反応が直ぐに返ってきます」と岡村さん。JAZZのオリジナル盤などではなく、『ひこうき雲』。この肩ひじの張らなさ加減がとてもいい。

レコード以外に、本も置いてある。
岡村さんはお酒を飲みながら、本を読むのが大好きなんだそうだ。それで、店内の明るさはギリギリ本が読める程度に設定してある。「お酒を飲みながら読書。そこに良質なレコードが流れてきて、ふとレコードジャケットを見上げたりしたら、それだけで良い時間じゃないですか?」と岡村さん。
本だけではない。店内には好きな作家の複製原稿がさりげなく貼ってあったかと思うと、大好きだという「筋肉少女帯」のシングルCDが飾ってある。こだわりがあるが、肩ひじを張らない人柄がお店にも出ていて、ついつい長居したくなる。

フードは乾きもの程度なので、二軒目以降、あるいは、一軒目の前によるのが正解。夕方17時から営業もしているので、仕事の帰りに、一人でふらりと立ち寄り、読書とレコードでお酒を一杯飲んでから帰宅するものいいのかもしれない。

BAR 家鴨社
☆住所: 東京都新宿区神楽坂5-26 カグラザカ5 2階左奥
☆営業時間:[月~金] 17時~27時 / [土] 15時~23時
☆定休日:日曜日・祝日
☆予算;3000円
☆音楽のジャンル:JAZZ、ROCK、J-POP
☆レコード数:LP、EP合わせて3000枚近く
http://www.ahiru-sha.com/

世界中のレコードを、その手の中に
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