「酒とレコードと男と女」お酒とレコードを楽しめるお店を巡る(第4回)

WRITER
ジョー横溝

LiNENDORPHIN


便利は名店の条件にあらず…。以前、誰だったか文豪の随筆で目にした文章だ。そしてこの言葉、今も効力を失っていない。今回紹介する<LiNENDORPHIN>は最寄り駅が神泉、池尻、駒場東大前と3つもあるが、どの駅からも10分近く歩く。だが、間違いないロックバーの名店だ。

松見坂という都内を車移動する人なら知っている交差点の近くに<LiNENDORPHIN>はある。店の前に立つと、壁にはDavid BowieのアルバムJK、扉には Bowieのポスターと“10th January 2016 David Bowie逝去 享年69才 REST IN PEACE”の文字が張ってあり、音楽愛がそこからも伝わってくる。

そして、店内に入ると、まずはレコードの暖かい音。更に店内にもLOU REED、David Bowie、THE SMITH関連のがポスター類が壁に張ってある。カウンターとテーブル席で 15人ほどでいっぱいになる大きさのお店は大きくもなく、小さ過ぎずで落ち着く。

そしてその店内で目を引くのはカウンターの背後にあるレコードたち。店の雰囲気から名盤が犇めく予感は的中で、一人でお店を切り盛りしている麟子さんがかけるレコードは名盤、名曲ばかり。JOHN CALEの「Hallelujah」やPINK FLOYD「Wish You Were Here」、CAN『Ege Bamyasi』から「Pinch」、Holger Czukay『Movies』から「Persian Love」・・・とエッジの効いた素晴らしい選曲で酒が進む。

そして、レコードを聴いていて記憶がよみがえってきた。店名にある<ENDORPHIN>という言葉がずっとひっかかっていたのだが、お話を聞けば、麟子さんは数年前に閉店した、渋谷・神泉にあったロックバーの名店<ENDORPHINⅡ>のスタッフの方だった。当然のように、<ENDORPHINⅡ>に行くときは酒を呑んでいたわけで、しかも数年前なので記憶も曖昧なのだが、レコードとともに酒を飲んでいると、麟子さんが働く<ENDORPHINⅡ>の記憶がおぼろげに立ち上がってきた。それで嬉しくなって、<ENDORPHINⅡ>にお邪魔した時にリクエストしていた、King Crimsonの「Fallen Angel」をお願いしたら、ほどなくかけて下さった。
その閉店した<ENDORPHINⅡ>のレコードを麟子さんが引き取り、<LiNENDORPHIN>を立ち上げ、オープンして丸6年になるそうだ。ちなみに、お店にあるレコードの枚数は、麟子さんいわく「恐ろしくて数えたことない」ということだが、優に千枚は越えている。
ジャンルとしては70年代のUKプログレ、パンク、ニューウェーブが中心。そして今でもレコードは買い足してるそうで、その時代・ジャンルが好きな人が垂涎なのは言わずもがなだが、単純にいい音楽に出会いたい人もぜひともお店に足を運んでみてほしい。

最後に麟子さんに一枚名盤を紹介して欲しいとお願いしてみた。 沢山ありすぎて選べない!と悩んだあげく、選んでくれたのは彼女が学生時代に聴いて衝撃を受けたレコード。1969年Julie Driscoll, Brian Auger & The Trinityの「Streetnoise」というアルバム。
学生時代のある日、このアルバムに収録された「I GOT LIFE」という曲を友人から聴かせてもらった事がきっかけで、音楽に深くのめり込んだそうだ。
まさに麟子さんの人生を変えた1枚。

「Streetnoise」Julie Driscoll, Brian Auger & The Trinity(1969)

LiNENDORPHIN
☆住所: 東京都目黒区駒場1-5-11
☆営業時間:
☆定休日:日曜日
☆予算;3000円
☆音楽のジャンル:70年代 プログレ、パンク、ニューウェーブ
☆レコード数:1000枚以上
https://twitter.com/LiNENDORPHIN

世界中のレコードを、その手の中に
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