下北沢レコードさんぽマップ

WRITER
山本将志

レコード収集を続けて行くことは、少々ハードルが高い趣味だと身をもって感じたのは、結婚がきっかけだった。都内の1LDKのマンションにレコードをしまっておくスペースがまずないのだ……。クローゼットは奥様の洋服の服が2/3を占め、私のスペースは1/3。リビングのコーディネート権限は奥様にあるため、意に沿わないと置くことができない。小さいフィギュアですらトイレへと移動となる始末……。家で音楽を聴くのはもっぱらテレビでYoutubeか、パソコンで再生しイヤホンで聴くか。「レコード聴きたいな〜」とつぶやくと「機械を置く場所ないでしょ」と諭される……。東京で車を持つことは大変だと思っていたが(持てる見込みすらまだないが……)、レコードを持つことも同じくらい大変なのかもしれない。むしろ奥様の理解を得るという点において、車以上に難易度が高い趣味だということに気付く。

現在、自宅にレコードは1枚もない。一人暮らしのときに集めたレコード約1000枚は、新居へ引っ越す際に実家に送った。オーディオ機器は友人宅に置かせてもらっている。昨今のレコードブームもあってか、好きなアーティストの新譜がレコードで発売される。そしてすぐに売り切れてしまうのを、指を加えて見逃すしかなった。私と同じ境遇にいる人は決して少なくないはずだ。

今年、私は35歳。ストリーミングも便利だけれど、腰を据えて好きなアーティストの音楽をレコードで聴きたい。子どもができたら、いろいろな音楽を聴かせたい。子どもが有名になったら「父は音楽が好きで、家ではいろいろな音楽がかかってました。」とかインタビューで答えてほしい。そのためには、やっぱりレコードを聴ける環境を自宅に作るしかない。

そこで私は考えた。奥様にレコードの魅力を体感してもらうためデートと称してプレゼンの旅に出ることに。レコードのある生活を取り戻すための長旅のスタートである。第一回目のチャレンジは自宅から電車で10分の下北沢にした。

次ページ:これは一般女性のレコードに対する生の声かも…(汗)

取材・文:山本将志
イラスト:Yuki Fujita

世界中のレコードを、その手の中に
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