サイン蒐集家ゴベの正体に、DJ JINが迫る!

WRITER
富山 英三郎

サインはレコードに貰おうと思ったきっかけはウータン・クラン

DJ JIN:アーティストからサインを貰うようになったのはいつからなの?

五辺:そういうハードコア系のバンドって、まずは7インチを出すのが目標なんです。だから、知り合いのバンドが7インチを出すと「ついにレコードじゃん! おめでとう!! 記念にサイン書いてみ」とか言って、シャレで書かせたのが最初。

DJ JIN:そうだったんだ、最初は面白がって書かせたんだ。

五辺:そうそう、ウケ狙い。だから、COCOBATとか当時自分がファンだった人には貰えてないんですよ。

DJ JIN:そこから「本当にサインが欲しい」「集めていこう」とスイッチが変わったのはいつからなの?

五辺:今は無きレコード屋のCISCOとかに、サイン入りの盤がいっぱい飾ってあったでしょ? あれを見てちょっといいなって。それまでにも、海外アーティストに出会う機会があれば手帳に書いてもらっていたんです。それで、ウータン・クランが初来日したとき、ライブを観に行った翌日にマンハッタン(レコード)に行ったら、メンバーが『THE SHOW』って映画の撮影をしていて。サインを貰おうとしたけど、わざわざ持っているレコードを買い直すのもあれだなって手帳にして貰ったんですよ。そしたら、次にやって来た女の子がホワイトスリーブのプロモ盤にデカいサインを書いて貰っていて。それ見たら、やっぱりレコードのほうがいいなって。

DJ JIN:へぇ~、そこからレコードにサインを貰おうとなったんだ。

五辺:そう。それで、ジェルー(ザ ダマジャ)とローズ・オブ・ジ・アンダーグラウンドとO.C.が、六本木のジャングルベースでライブをやるってなって。案の定、ジェルーだけ来なかったんだけど(笑)。そのときにプレミアもDJで来てたの。翌日、彼らがタワレコでサイン会をやるっていうから、近くでレコードを買ってサインをもらったのが最初。

渡辺美里のラジオでジャニス・ジョップリンを知った

DJ JIN:そこからサイン収集家としての自覚が…。

五辺:収集家というよりも、レコードにサインを入れて貰うとかっこいいなっていう。

DJ JIN:ハードコアバンドの友だちからノリで貰うところから始まって、自覚するようになったのがヒップホップっていう。

五辺:メソッドマンのサインをレコードで貰わなかったことの後悔が大きい。

DJ JIN:音楽を幅広く聴いているけど、どういう流れでそうなったの?


五辺:厳密に言うと、セックス・ピストルズもRun-D.M.C.もジャニス・ジョップリンもオーティス・レディングも、すべては中学生のときに聴いていた渡辺美里のラジオで知ったんですよ。

DJ JIN:それすごい!

五辺:AMの深夜番組なのに、ディレクターと喧嘩しながらセックスピストルズをかけたり、なかなかやんちゃだったんです。ちなみに、岡村靖幸のデビューが決まったのもこの番組。僕も岡村靖幸は昔から大好き。話がずれたけど、僕はジャニス・ジョップリンの影響が大きくて。そこからハードロックに行って、ヘビーメタルに行って。高校入ってからは、友だちにブラックサバスを教えてもらって。最初は「ロード・ウォリアーズの入場曲だぞ!」って言われて、プロレスが大好きだったから聴くようになって。レッド・ツェッペリンも、ブルーザー・ブロディーの入場曲だと知ってから好きになったり。

DJ JIN:へぇ~。渡辺美里のラジオが、ゴベレボリューションの始まりだったんだね。

五辺:ヒップホップはRUN-D.M.C.くらいしか知らなかったかな。いや、アンスラックスとパブリックエネミーがやった『Bring The Noise』があった。当時はうるさい曲が好きだったから、ちゃんと聴かなきゃと思って、パブリックエネミーの『Apocalypse 91』は買った。あとは、N.W.A.とかサイプレス・ヒルとか、ロック系からも好かれるヒップホップは聴いてた。同時に、ジャニスの影響でブルースとかソウルも聴いてたから、その流れで徐々にメアリー・J.ブライジみたいな歌ものも聴いて。

DJ JIN:それは音楽好きとして情報を収集するなかで、こういうのも聴いてみようという感じなの?

五辺:そうだね。女性コーラスものとかは、ピート・ロックの作品にも多く見られたし。あとは、’92年にマドンナが『Deeper and Deeper』を出したことでハウスも気になって。当時はまだメタル小僧だったけど、先輩に連れて行ってもらったゴールドでフランキー・ナックルズを聴いたり。ボーカルもののハウスもいいなって。

DJ JIN:珍しいよね。スラッシュメタルとかから入って、ハウスもヒップホップもR&Bも同時に聴いてるとか。

五辺:最近は結構いるけどね。僕らの世代では、ちょっと早かったかもしれない。モヒカンに鋲ジャンの奴と、ボーイズ2メンの話をしてたから。

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取材・文:富山 英三郎
写真:則常 智宏

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