サイン蒐集家ゴベの『サイン入りレコード A to Z』第45回 TERRY CALLIER

WRITER
五辺宏明

レコード&昭和プロレス愛好家のゴベと申します。
今回取り上げるアーティストのライブを観ることができたのは、とても幸運なことだと思います。

第45回 TERRY CALLIER



TERRY CALLIER『ALIVE』LP

2002年5月21日 @ブルーノート東京

こちらはMR. BONGOから2001年に発表されたライブ盤。2000年にロンドンのJAZZ CAFEで録音された音源です。TERRY CALLIERが1998年にあのTALKIN' LOUDから『TIMEPEACE』をリリースして以来、ずっとライブを観てみたいと思っていたので、入手してから毎日のように聴いていました。しかし残念なことに10曲収録されたCDに対し、LPは6曲のみ。
まずはCDの収録曲。

1. Ordinary Joe
2. Step Into The Light
3. Lazurus Man
4. Lament For The Late A.D.
5. African Violet
6. You're Gonna Miss Your Candy Man
7. What Colour Is Love
8. Dancing Girl
9. People Get Ready
10. I Don't Wanna See Myself

続いてLPの収録曲。

side-A
1. People Get Ready
2. Step Into The Light
3. Lament For The Late A.D.

side-B
1. Timepiece
2. You're Gonna Miss Your Candy Man
3. I Don't Wanna See Myself

CD未収録の"Timepiece"が入っているものの、人気曲の"Ordinary Joe"や"What Colour Is Love"、"Dancing Girl"がカットされている納得いかない選曲。なんとか全曲収録した2LPを出していただけないものでしょうか(*)。

その『ALIVE』がリリースされた2001年、TERRY CALLIERの初来日公演が決定。彼のライブを熱望しつつも、実際に観ることなど不可能だと思っていたので本当に驚きました。小躍りしながらスケジュール帳を確認すると、1日しかない東京公演の前日に書いてあったのは「引越」の2文字・・・。住居を引っ越すことになっていたのです。当然ライブを観に行く余裕などありません。断腸の思いで諦めました。

おそらく最初で最後の来日になるのではないか? と思っていたのですが、翌年2002年にまさかの再来日が発表されました。当時は柔術という格闘技の試合に毎月のように出場していた為、練習に重きを置いた生活を送っていましたが、この時ばかりはこちらを優先。早々に予約してその日を待ちました。
そして公演当日。聴衆を派手に煽ることもなく、かと言って淡々と演奏する訳でもなく。等身大のTERRY CALLIERの歌とギターが鳴り響いていて。期待を遥かに上回る素晴らしい演奏を聴かせてくれました。



終演後にサイン会があったので、もちろん参加。
最初にサインをお願いしたのは1972年に発表された2nd.アルバム『WHAT COLOR IS LOVE』。70年代ソウルを聴き始めた90年代中頃にジャケ買いしたレコードです。一糸纏わず煙草片手に物憂げな表情を浮かべる女性の写真に惹かれ、予備知識のない状態で購入。ジャケットの状態が悪く、ホールカットも入っていたので格安でした。

所謂ソウルやリズムアンドブルースのような音を想像して針を落とすと、まるでフォークのようなギターと静かに憂いのある歌が飛び出してきました。A面1曲目に収録された"Dancing Girl"というその曲は次第に熱を帯びていきます。2曲目の"What Color Is Love"でクールダウンした後、再び静かにグルーヴする"You Goin' Miss Your Candyman"。こちらも気がつけば熱いプレイで幕を閉じます。柔らかな楽曲を収録したB面も素晴らしく、何度も繰り返して聴きました。

異論はあると思いますが、それでも「TERRY CALLIERの最高傑作はこれでしょ!」と言い切ってしまいたいくらいの愛聴盤です。

・・・なんてことを私ごときが熱弁する必要などありませんね。レアグルーヴやブラックミュージックを愛聴されている方でしたら皆さん御存知の大名盤です。大変失礼しました。

(『ALIVE』と『WHAT COLOR IS LOVE』の両方に収録されている曲のタイトルにバラつきがありますが、それぞれの作品に記載されている通りの曲名を採用しております)

そんな思い入れの強い作品なので真っ先にお願いした訳です。ジャケット表の女性の写真の方に入れてもらってもよかったのですが、やはり御本人の写真が使用されているジャケット裏面にお願いするのがベスト。そう判断して裏面を上にしてレコードを差し出したところ、がっつり顔の上に書き込まれてしまい・・・。胸の辺りに入れてくれると思ったのに。





TERRY CALLIER
『WHAT COLOR IS LOVE』LP

2002年5月21日 @ブルーノート東京

呆然とする私の顔を見てバツの悪い表情を浮かべたTERRYさん。次に差し出したレコードにはちゃんと余白にサインを入れてくれました。





TERRY CALLIER『I JUST CAN'T HELP MYSELF』LP

2002年5月21日 @ブルーノート東京

あまりにも素晴らしい内容だったので、翌日も観に行くことに。当然ながらこの日も最高でした。



TERRY CALLIER「Love Theme From Spartacus」12"

2002年5月22日 @ブルーノート東京

2012年に亡くなったTERRY CALLIERのライブを観ることができたのは、残念ながらこの2回だけです。安らかに。

*今年(2018年)の11月3日に「レコードの日」限定商品として、TERRY CALLIERがMR. BONGOから発表した作品からアナログになっていなかった楽曲を集めたコンピレーション盤『TOKYO MOON』がリリースされました。A面1曲目の"Ordinary Joe"のライブテイクは『ALIVE』のCDに収録されたものと同一音源です。選曲を担当された中村智昭さんに最大級の感謝を!



TERRY CALLIER『TOKYO MOON』LP

五辺宏明(ゴベ ヒロアキ)

五辺宏明(ゴベ ヒロアキ)
レコード&昭和プロレス愛好家。 ライブハウスやクラブに足を運び、レコードにサインを入れてもらうことに喜びを感じる生き物。 そんなサイン入りレコードにまつわるアレコレをA to Z順に綴る。 ちなみに、生まれて初めてサインをお願いした有名人は故ジャイアント馬場氏。 (でも本当は80年代の新日&UWF派。好きなレスラーはブロディ、藤波、小林邦昭、後藤達俊、阿修羅原!)

世界中のレコードを、その手の中に
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