DJ CHINTAMのレコード狂時代vol.7 ~『TOUCH ME TAKE ME』の魅力~

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CHINTAM

音楽を聴いていると皆さんも色々と思い入れがある曲が沢山ある事でしょう。初めて買ったレコード、長年タイトルやアーティストがわからなかった曲、彼氏彼女と聴いた曲、何かの忘れられない節目で耳に残っている曲、ガツンと胸に響いてしまった曲etc。すごく個人的ですが、私にも色々と数多くあります。

高校生の時に夢中になった『MAJOR FORCE』。高木完さん、藤原ヒロシさん、屋敷豪太さん、工藤昌之さん、中西俊夫さんによって設立された日本初のCLUB MUSICレーベルとしてもお馴染みですね。チョイスされるサンプリング・センスの素晴らしさ、完成され卓越した楽曲、HIP HOP~REGGAE~HOUSEを中心とした最高な楽曲の数々。どれをとっても世界レベルで本当に度肝を抜かれ、追いかけ続けたものであります。その楽曲の数々は今も尚プレイし続けているし、これからも変わらないと思います。MO’WAXのJAMES LABELLEもMAJOR FORCEフリークで、MO’WAXから『The Original Art-Form』のVARIOUS BOXをリリースしています。そのMAJOR FORCEから89年にリリースされたSEXY T.K.O.の『TOUCH ME TAKE ME』という楽曲。日本を代表する最高なLOVERS CLASSICSです。各VERSION共に申し分の無いCHILL感、心地良過ぎて困るくらいの素晴らしさ。クオリティーの高さに本当に驚きました。

当時私はSEXY T.K.O.のオリジナル楽曲と思い込んでいたのですが、数年後某中古レコード屋で一緒に働いていた先輩の山下洋君(WWRB / FREEDOM SUITE)が店に置いていたクラブキング発刊の『THE SELECTION OF DICTIONARY』という本に中西俊夫さんがレコメンドしているのを見て初めてカヴァー楽曲と知りました。ESTHER BYRDのテイクを聴くとSEXY T.K.O.はかなり忠実にカヴァーされているのがよくわかります。頭のDRUM BREAKやGROOVE感も忠実に。しかもまず当時この楽曲をカヴァーしたセンスの素晴らしさに心から感動した事を今でも覚えています。

これをカヴァー楽曲と知ったのが96年頃でしたが、その頃は本当にESTHER BYRDの存在を知る人や、オリジナルのレコードを持っている人が殆どいなかった様に思います。(少なくとも私の周りには。) 他のレコード屋に行っても誰もESTHER BYRDを知らず、まったく見つけることができない状況でした。中西俊夫さんと仲の良かった山下君が「中西さんに詳細聞いておくよ~!!」と言ったくれたものの、結局詳細を知る事はありませんでしたが・・・(笑)

ここからは、後に詳細を知ることになった、いくつか存在するオリジナルから関連楽曲についてレコメンドしたいと思います。

まず、ESTHER BYRDの盤は75年にUKのSURVIVALレーベルからのリリースで、PRODUCEはSTEVE ROYAL。後にALASKAレーベルにも絡みを持つ人物です。このSURVIVAL盤はSOLID盤形態で2種類あって、諸説ありますが後にJAZZMAN GERALDがBOOTでプレスしたと言われている盤も存在します。その盤もなかなかの値段が付いていますが・・・。世界中で今やCLASSICS的な楽曲で人気ですから仕方ないのかも。(UK盤ONLY)

次に、同年にはUKのALASKAレーベルから同じくSTEVE ROYALのプロデュースでINTIMATE STRANGERSの『LOVE SOUNDS』という楽曲がリリースされています。こちらはESTHER BYRDのINST.楽曲という感じで、中盤から女性の喘ぎ声でドラマチックに展開されます。トラックはほぼ同じアレンジですが、作がJ.J JONESと謎めいています。このALASKA盤はどちらがファーストでどちらがセカンドプレスかわかりませんが、青ラベルと紫っぽい色のラベルの2種類があったと思います。(UK盤ONLY)

そして最後にRITA WRIGHTの『TOUCH ME TAKE ME』ですね。メジャー級に有名な話ですがSYREETA WRIGHTの変名でリリースされた本作。STEVIE WONDERの元嫁さんとしても有名ですね。こちらはメジャー・レーベル『UNITED ARTIST』傘下のUKの『JET RECORDS』からのリリースで、3年後の78年に同じくSTEVE ROYALのプロデュースでリリースされています。こちらもオリジナルに忠実にDRUM BREAKから展開されますが、若干演奏具合や、SYREETAの独特のPOPS感のある歌い回しなどが感じられる、また違った素晴らしいアレンジとなっています。

このように、オリジナルから関連楽曲などを含めた4部作の『TOUCH ME TAKE ME』。どれも甲乙付け難い素晴らしい内容のMELLOW SOUL CLASSICSです。SEXY T.K.O.のカヴァーから約30年。そろそろ誰か新しいアーティストがカヴァーしても良さそうですが、今後に期待したいですね。

今回取り上げたこの楽曲みたいな、タイトルが違うけれど同トラックで制作されたモノ、何枚カヴァーが有るのだろう?的な曲を探してコンプリートしてみるのもレコード収集の楽しみの一つと成り得ますから、皆さんもよく耳を澄ませて曲を沢山聴いてみて下さい。きっと素晴らしいレコードとの出会いが有るハズです。

CHINTAM(DJ)

CHINTAM(DJ)
DAYJAM CREW所属。オール・ミックスのDJ / レコードバイヤーとして活動中。Soul View Records、Turtles Records、Spice Records、HMV record shopのバイヤーを経て現在はBLOW UPを主宰。洋楽だけに留まらず、新旧問わず和モノを中心に良質な音源を紹介し、アナログ盤の再発・企画などのディレクションなども行っている。また2015年4月にリットーミュージックより発刊されたJapanese Groove Disc Guide「和モノA to Z」の監修・執筆を担当。同書においては現在VICTOR音源で連動シリーズを展開中。

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