DJ CHINTAMのレコード狂時代vol.2 ~BOOTLEGのコンピレーションの重要性と今~

WRITER
CHINTAM

ネット社会の今、日常生活のあらゆることがネットで完結してしまうということが普通の世の中。衣食住、娯楽etc,と様々な事がお手軽に済まされてしまう、本当に便利な世の中です。

一昔前のネットも携帯も全く無い時代の、レコードバブルがやって来るずっと以前、高校生の時に毎回読んでいた雑誌で紹介されていたのが『ULTIMATE BREAKS & BEATS』という、後に25枚続いた人気ネタ物コンピシリーズでした。このシリーズは当時も今も世界で一番の定番、かつ人気コンピレーションと言っても過言ではないでしょう。

その頃、私の居た田舎の九州では本当にこのコンピを売っている店が殆ど無く、入荷しても極少量の入荷で、しかも高校生には買える金額ではありませんでした。その頃はサンプリング・ネタのことや、SOUL、FUNK、JAZZ、ROCK、DISCO etc,とまだまだジャンルについても殆ど解っていない高校生な訳で、ネタというよりもコンピレーションというレコードに飢えていたと言った方が良いのかもしれません。知らない音楽、ジャンルが本当に知りたくて、手っ取り早い感じもあるのが魅力的で財布にも優しく。
欲しい感じの曲は有るのだけれども、解らないから店先で店員さんに上手く伝えられず、購入しても全く求めていない音楽だった、ということも多くありました。

その後、上京して間もなく私は新宿ALTAにあったDEP’T STOREでアルバイトをする事になったのですが、何故そこにしたかと言うと、古着が好きだと言う事もあったのですが、そこには『ULTIMTE BREAKS & BEATS』など、少しレコードの扱いがあったので何が何でも働きたかった訳です。その新宿ALTAの6階 (現HMV record shop ALTA)にはあのCISCOもお店を出しているというミラクルな環境で、休憩中やバイト上がりにレコードをチェックして、渋谷CISCO、MANHATTAN、DMRにも必ず寄って帰るという毎日でした。

どこの店でも店頭で『ULTIMATE BREAKS & BEATS』はヘヴィープレイされていましたし、その当時レコード屋では試聴が全く出来ない時代だったのですが、有名なDJやレコード屋の店員さんの友達などが顔パス的な感じで優遇的に試聴をしていると、店内で掛かるその音楽を聴いてないフリをしながらも完璧にジャケをチェックしてササっと壁やエサ箱から同じレコードをゲットしたり、取り合いが始まるみたいなことがよくありました。それほど、80年代後半から90年頭はレコードに飢えていた訳です。この『ULTIMATE BREAKS & BEATS』は自分が理想としていた内容が全て詰まったコンピ。この中から収録された原盤や関連するレコードを購入して、どんどんと自分の音楽知識の幅が猛烈に広がったのは間違いなく、しかも、内容もまさにアメリカ的な楽曲がチョイスされているもの頷ける感じで、HIP HOPマナーの楽曲とはこんな感じなのだと学習していきました。

他にも、後に2000年頃まで続く人気シリーズであった『VINYL DOG』や『MILK CREATES』なども『ULTIMATE BREAKS & BEATS』的なニュアンスのGOODコンピでした。

また、92、3年頃からイギリスのCOBALT MUSICからリリースが始まった『RARE FUNK』シリーズもGOODコンピでした。これはアメリカ物とは本当に内容も全く違う選曲とGROOVEが散りばめられた最高な内容で、まさに『ULTIMATE BREAKS & BEATS』とは対極な感じでした。確か数年前にVOl.0がリリースされたので、おそらく合計13枚のリリースだったと思います。

さらに、UK発の『JAZZ JUICE』や『COOL CLASSICS』なども、いまだにファンが多く外せない人気シリーズで、『RARE FUNK』シリーズ同様にJAZZ FUNK~RARE GROOVEがガッツリと収録されており、『ULTIMATE BREAKS & BEATS』みたいに、このコンピに収録された楽曲を猛烈に探し求めて日々過ごしていました。『この言い表せない程に格好良いRARE GROOVEとは何ぞや?』と思いながら。

この頃はレコードバブルが始まる頃というのもあって、レコードの価格が高騰しており、RARE GROOVEやJAZZ FUNKなどは本当に高かったし、なかなか探しているレコードが見つからなく本当に苦労したものでした。SOUL 、FUNK、JAZZFUNK、RARE GROOVE、DISCO、etc,本当に当時はレコードの情報が無く、とにかく毎日レコード屋に通う、今回取り上げた定番の良質なコンピレーションなどを基に探す、曲を知る。CLUBに通う。これしか方法は無かった訳で、今みたいに検索すれば世界中から欲しいものを見つけてクリックするだけで購入出来たり、詳細な情報を得る事が出来る素晴らしい時代になったと感じるばかりですが、このREVINYLを通じて今後も素晴らしいレコードの出会いが沢山有る日常になる事でしょうね。ネットを駆使してでも今後も自己流の探し方を楽しみたいものです。

CHINTAM(DJ)

CHINTAM(DJ)
DAYJAM CREW所属。オール・ミックスのDJ / レコードバイヤーとして活動中。Soul View Records、Turtles Records、Spice Records、HMV record shopのバイヤーを経て現在はBLOW UPを主宰。洋楽だけに留まらず、新旧問わず和モノを中心に良質な音源を紹介し、アナログ盤の再発・企画などのディレクションなども行っている。また2015年4月にリットーミュージックより発刊されたJapanese Groove Disc Guide「和モノA to Z」の監修・執筆を担当。同書においては現在VICTOR音源で連動シリーズを展開中。

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